エサ取り名人と言われてどんな魚を思い浮かべるだろうか。やはりその代表格はカワハギだろう。ひと昔前は釣り人に見向きもされなかった魚だが、今ではハリに掛けるまでのテクニカルな駆け引き、その食味が評価されて大会まで開催されるほどの人気ターゲットだ。今回はそんなエサ取り名人攻略法を解説していきたい。
カワハギ釣りの釣り方
まさに難敵である。あの口にハリを掛けることを想像するだけで、至難の業だということが想像できるだろう。だが、それだけに1匹釣ったときの達成感は、他の釣りとは全く違ったものがある。
カワハギ釣りにはさまざまなメソッドが存在するが、最もポピュラーでビギナーにお勧めしたいのが、タタキ釣りだ。
タタキ釣りとは?
カワハギは食欲だけでなく、好奇心も旺盛だ。動くものに非常に興味を示す。小刻みな誘いでカワハギの目を引き、一瞬の食わせの間を作ってハリに掛けるのだ。
具体的にはオモリを底に着けたまま、サオ先を細かくシェイクする。時間にして3~4秒、長くても10秒まで。その後、スッとミチイトを張らず緩めずで待ち、本アタリを掛けアワせていく。
このとき、決してミチイトを緩め過ぎないこと。ミチイトを緩め過ぎるとアタリが分からなくなり、アワセどころもつかめなくなる。慣れてくると、前アタリ、本アタリが分かるようになる。ゴツゴツと重いアタリが出たら本アタリ。
この見極めが非常に難しく、タイミングを逃すと3本ともエサがきれいになくなっている…ということになる。
とにかくカワハギを焦らして焦らして、頭に血がのぼった状態まで持ち込めればこちらのもの。一気にサオ先が絞り込まれることもある。
サビキ釣り
そしてカワハギが浮いているときはサビキ釣り。
サビキといってもアジやサバを釣るあれではなく、オモリを浮かせてゆっくりサオで持ち上げ、テンションをかけたまま落としていく。ミチイトに常にテンションがかかっているので、アタリは分かりやすい。
イメージとしては持ち上げたエサをカワハギが見つけ、落ちていくエサを追っていく。そして食わせの間を作り、次に持ち上げたときにハリ掛かり…といった感じだ。
もちろん毎回うまくいくわけもなく、エサだけ取られることがほとんどの場合も多い。テンションフォールさせていくときは穂先に集中し、カワハギがエサを追っている様子をイメージして釣っていこう。
ハワセ釣り
そして根掛かりの少ないポイントでは、ハワセ釣り。
これは仕掛けの上に集魚版や中オモリを入れ、仕掛けを完全に海底に寝かせてしまうのだ。エサが海底に着いている状態は、カワハギが最もエサを食いやすい状態。ただし、伊勢湾エリアでこのメソッドができる場面は少ない。
釣れない時のひと工夫!
アタリが少なく食いが渋いときは、エサのアサリを2~3個付けるのも手。
ハリ掛かりうんぬんよりも、まずはエサの方に向いてもらわないと釣りにならないからだ。またハリを早掛けにするのもいいだろう。
そしてタタキ釣りでどうしても食い込まないときは、ミチイトのたるみを大きくしてみよう。仕掛けのテンションを緩めてやれば、カワハギがエサを吸い込みやすくなる。この場合アタリが分かりにくいので、一定の間隔で聞きアワセが必要になる。
このタタキとたるませの頻度や時間を工夫して、その日その日のヒットパターンを見つけよう。