秋のフカセチヌ釣り入門解説 【棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けとは?】

秋のフカセチヌ釣り入門解説 【棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けとは?】

釣り人にとってはすごしやすい秋だが、海水温は上下動を繰り返しながら徐々に低下。下降線をたどる海水温の上下動はチヌにとって嫌な環境のようだ。また、秋は厄介なエサ取りの活性が非常に高くなるため、さらに釣りにくさも増す。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

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海釣り 磯釣り

なじみと同調時間

重い棒ウキを使った半遊動仕掛けに使用するガン玉は、ウキの浮力サイズにかかわらず、G1~G5をメインに2段打ちして使う。

秋のフカセチヌ釣り入門解説 【棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けとは?】フカセ釣りのタックル(提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

なぜか?というと、重いガン玉よりも軽いガン玉のほうが、仕掛けが潮になじみやすくつけエサとまきエサの同調時間も長いからだ。「5Bのウキに軽いガン玉だけだと、余浮力があり過ぎてチヌの食いが悪いのでは?」と思う人も多いと思うが、決してそんなことはない。軽いガン玉を打った仕掛けは、着水して遊動が完了するまでの間は、全遊動仕掛けと同じようにつけエサが上層から底層までゆっくりと沈下しながらまきエサと同調していく。

 

仕掛けの欠点を改善

私は、棒ウキ仕掛けの時に絡み防止用パイプ(100mm)を挟む。キャスト時にこのパイプが投げ釣りのテンビン仕掛けのようにウキとミチイトを分離して飛行する。棒ウキ仕掛けの最大の欠点は、イト絡みの多さとハリスが短くなることだが、100mmのパイプを挟むことでイト絡みを抑えつつハリスを長く(約4.5m)取ることができる。

秋のフカセチヌ釣り入門解説 【棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けとは?】絡み帽子用パイプ(提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

海底につけエサは固定状態

私は、半遊動仕掛けの時はウキ下を水深+這わせ幅1~2mに設定している(別図2参照)。全遊動仕掛けと同じように、仕掛けがゆっくり遊動を完了すると最終的にはつけエサが底を這う状態になる。仮に上潮の滑りにウキが捕まったとしても、ウキ下を余分に取った分だけつけエサを海底に固定することができるため、まきエサとの同調時間が長くなる。結果、チヌがつけエサに気づきやすいようだ。

イト絡みを抑え遠投

重い棒ウキ仕掛けは、サイドスローで投入するとイト絡みを抑えながら遠投できる。キャスト時にパイプとウキの間がⅤ字状になって飛行するので、仕掛け絡みを回避することができる。

秋のフカセチヌ釣り入門解説 【棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けとは?】仕掛けの投入場面(提供:週刊つりニュース西部版 編集部)

チヌ釣りにおいて全遊動仕掛け全盛の昨今、新しい釣り方を模索している人も多いと思う。今回紹介した棒ウキを使った新しい半遊動仕掛けが、みなさんにとって何かのヒントになれば幸いだ。

<週刊つりニュース西部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2023年11月17日号に掲載された記事を再編集したものになります。