毎年、秋が深まると伊勢湾奥では新子アナゴの数釣りが楽しめるようになる。まだ少し早いかと思いつつ様子見に出かけてみると、まだ夏サイズの良型が姿を見せてくれるではないか。2日連続で足元とチョイ投げで狙ってみた。
ナイト足元とチョイ投げで狙う
10月16日の夜、三重県四日市市の霞埠頭に車を走らせた。到着は午後8時半。早速、風裏となる岸壁に釣り座を構えた。
まずは足元狙いのテトラザオにイカの短冊をセットし、それを投入してからチョイ投げの準備をする。
調子のいい日は2本目の準備ができないほど忙しくなるが、この日は余裕を持って2本目を投入することができた…って、それはダメなパターンじゃないのか?
だが、それは杞憂(きゆう)だったようだ。
しばらくすると足元のサオに激しいアタリ。サオを手に取り、軽くテンションを掛けながらアワセのタイミングを計る。
程なくサオ先が絞り込まれ、35cmほどの食べごろサイズが姿を見せた。
ここからは退屈しない程度にアタリが続き、バケツの中もにぎやかになってきた。
誘うことが重要!
周りにもアナゴ狙いと思しき釣り人の姿があったが、何本もサオを出しているわりにはアタリが少ないようだ。
アナゴというと置きザオで狙う人が多いが、実はここに落とし穴がある。
アナゴに限ったことではないが、エサ釣りといえど誘いは重要なのだ。
私は置きザオにしていても頻繁に誘いを掛け、チョイ投げの方は仕掛けの位置も少しずつ動かしている。そのためサオは2本、多くても3本まで。
また、アナゴは意外にもエサ取り上手なので、エサのチェックも頻繁にする必要がある。
嬉しいゲストも!
そんなとき、チョイ投げのサオに妙な手応えがあった。生命感はないが、かといって根掛かりでもなさそうだ。
かなりの重量感なのでポンピングしながら寄せてくると、水面に浮かんだのはワタリガニ。
しかもデカい! 慎重に抜き上げ、無事に土産となった。
2日後にも再釣行!
時は流れて2日後の午後7時半。
この日は開始早々から足元とチョイ投げで2匹ずつ、立て続けに4匹をキャッチして幸先のいいスタートとなった。
ところが、その後が続かない。いやアタリはあるのだが、極小サイズなのかヒットに持ち込めないのだ。
そこでチョイ投げの投点を変えてサーチ。
それと併せてルアーもキャストしてみる。実は前回、投げ釣り師が小ぶりのマゴチをキャッチするのを見てしまったのだ。
ルアーをキャスト
ルアーは五目ソフト・シュリンプ。ダウンショットリグで遠投して広範囲を探っていく。
すると数投でゴゴンというアタリ。と同時にチョイ投げのサオからクリック音が響く。
どちらを優先すべきか迷った揚げ句、どちらも取り逃がすのはお決まりのパターン。二兎(と)を追うものは…とはよく言ったものだ。
投点を変更したのが正解だったのか、ここから再び良型アナゴが顔を見せ始めた。だがマゴチだって気になるのだ。
2日目の釣果は?
結果的には40cm級ながらマゴチもキャッチして満足の釣果となったが、マゴチに気を取られていたせいかアナゴは12匹といまひとつ。
そのうち5匹が新子サイズだった。
今後、秋が深まれば例年のように新子の比率が高くなってくると思うが、まだ水温が高いためしばらくは夏サイズも期待できそうだ。
さすがに夜ともなると冬装束の必要な季節だが、湾奥の海はまだまだ熱い。
釣って面白く、食べてもおいしいアナゴ。
みなさんも、夜のベイエリアに出かけてみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志 /TSURINEWS編>
霞ふ頭