カーディナル33は1975年にスウェーデンのABU社から発売されたスピニングリールで、日本の渓流にマッチした性能から日本のトラウトアングラーに支持されて、これまで何回か復刻されているリールです。今回は一愛用者として、このオールドリールの魅力を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
デメリットは?
カーディナルのデメリットのほとんどは慣れで解消できるものがほとんどだと個人的には考えています。が、ノーマルのラインローラーだとライントラブルが起きやすいのは事実です。特にスピナーとの相性は最悪で、クラシックなブレットンやパンサーを使うとヨレまくるので時折ヨレを戻したりする必要があります。裏を返せばその点を常に念頭においておけば問題ありません。
慣れでは解消できないデメリットとして切実なのはベイルスプリングが折れやすいことです。釣りの最中に折れてしまった事もあり予備リールも持ってきて無かったのでそのまま続行した事もありました。この点は強化スプリングに交換しておく事で解消できますが、その作業に専用の工具が必要でこれもまたデメリットと言えます。
特にラインローラーは通常の+-のネジではなく特殊なネジで固定されているので専用の工具を買うか、ドライバーを削って改造したものを使う事で解消できます。とはいえ、何にせよ手間がかかります。
あらゆる手入れは自分で出来る
現在のリール性能は入門機でも非常に優秀ですが、ユーザー個人で出来るメンテナンスは限られており、その複雑な構造からオーバーホールはほぼメーカー送りになります。
対してカーディナル33/3シリーズはシンプルなウォームギアで駆動しており、一度構造を理解してしまえば分解/組み立ては容易です。それもあってオフシーズンのオーバーホールは一つの楽しみでもあります。吹雪の夜にやがてやってくるシーズンに思いを馳せながらの作業は地味ですが楽しいものです。
自分の好きな道具で自分の釣りを
ここまでつらつらとカーディナルについて書き散らかしてきましたが、最新、最高の技術の塊の道具でも自分よりも年上の古い道具でも魚は釣れます。詰まるところ自分の好きな道具で自分の釣りスタイルを確立していけば良いと思います。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>