イカダがクロダイの独壇場と思われていたのははるか昔。すでに五目釣りファン、エギングファンも多く訪れているが、新たにライトソルトゲームの可能性を探るために、週刊釣りニュースAPCで一宮の釣具店CALYPSO(カリプソ)の店長の大宮好騎さんとともに10月6日に三重県・南伊勢町内瀬の内瀬釣りセンターを訪れた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
朝マヅメは不発
午前6時前にクロダイ釣り師2人を合わせた4人で出船。ものの5分もしないうちに長方形の連結カキイカダに到着し、手早く荷物を下ろす。同所の岡本船長からイカダの説明を軽く受け、早速タックルを組む。
この日は朝から曇り空で北寄りの冷たい風が吹いていた。予報では時間によってはにわか雨もあるとのこと。屋根の下に荷物をまとめ、まず大宮さんがセットしたのはトップウォータープラグのポッパー。朝マヅメの絶好の時間帯、水面に出ていなくて青物が回遊しているかもしれないとイカダの周囲に投げまくる。
朝の静寂のなか、ゴボッ……ガボッというポッピング音が響く。いつドカンと出るかとドキドキしながら待つが、何の変化もなし。10分ほど探って何のバイトもなかったので、次は固いと踏んでいたメッキだ。
3.5gのメタルジグをフルキャストし、ボトムまで落としたら細かいアクションを入れつつ速引きしてくる。前に投げて反応がなければ真下、イカダ沿いなども探っていく。
だが固いはずのメッキが全く姿を現さない。というか、全体的に生命感がないのだ。朝マヅメでコレではやばいかも……という雰囲気が流れる。
ボトムを攻めオオモンハタ登場
上がダメなら下だということで、ここで大宮さんはジグヘッドリグに切り替える。5.7gのジグヘッドに3inchのシャッドテールワームをセットし、岸に向けてキャスト。伊勢路川の流れと下げ潮が相まって、かなり速く右方向に流されるが、さほど深くないためボトムの確認は容易だ。
リフト&フォールで探ってくると、ようやく大宮さんのトラウトロッドが曲がった。上がってきたのは20cm級のオオモンハタ。目論見から大きく外れたが、魚の顔が見られたことにホッとする。
そして再びルアーをメタルジグに付け替えた大宮さん、イカダを固定しているロープにメッキが着いていないかと、タイトにジグを落とし込む。と思ったら「食った~!」の声。絞り込まれるロッドに悲鳴を上げるドラグ。次の瞬間ティップが跳ね返ってしまった。
「多分シオだと思います」とのこと。掛けた場所が悪すぎたようだ。強めのライトゲームタックルに替え、再び探り始めるがその後は沈黙。
50cm頭にマゴチ連発
ジグヘッドリグではポツポツとエソに交じってオオモンハタが姿を見せるが、サイズが伸びない。大きくても25cmまでだ。そんななか、沖に向けてキャストしていた大宮さんに、激しく首を振るハタでもエソでもなさそうなヤツがヒット。
姿を見せたのは30cmほどのマゴチ。岡本船長から聞いていたが、ここ内瀬はマゴチの魚影もかなり濃いようだ。
さらに続けてヒットしたマゴチは大幅にサイズアップ。ロッドのたたき幅でかなりのサイズだと予測できる。
ジリジリ滑るドラグをなだめ、一気に抜き上げたマゴチは50cmアップ。「これで絵になりましたね~」と大宮さんも安堵の表情だ。
さらにその後、鉄板バイブレーションでサイズダウンのマゴチにワニゴチも追加。小アジが釣れたら泳がせ釣りをしても面白そうだ。
40cm級シオヒットもバラし
魚の反応が続いたことで釣り人のヤル気もアップ。朝イチの無の状態から潮が緩んで、状況も好転しつつあるようだ。
そしてそれが実感できたのが、2度目のビッグファイトだった。朝切られた場所と全く同じ場所、同じタックルで大宮さんが再び掛けた。今度はロープをかわし、強引に寄せたところで見えたのはやはりシオ。しかもデカイ!40cmは優に超えている。ライトタックルではギリギリのサイズだ。
2度、3度の突っ込みをかわし、獲れる……と思った瞬間、またもやティップが跳ね返ってしまった。崩れ落ちる大宮さん。やはり細ライン、極小ルアーでないと食ってこないようだ。