湾奥は高水温で海が沸騰したようだった。そこで大阪南港から抜け出し、潮通しのいい泉南の海に向かった。7月~8月は良い海だったと思う。その状況を振り返りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
「死の海」湾奥から外へ
大阪湾は今夏、最高水温28℃前後と、かなり熱い海だった。実際に気温も非常に高いのだが、何が悪いかといって、6月くらいから真夏日が続いたことだ。それで魚がヘバってしまった。湾奥ではカサゴも食わない。チヌだけ。
チヌやキビレはほとんど河の魚。そう思うと私はこの夏、ちゃんとした「海」の魚を見ていないことになる。ということで、泉南に向かった。なんでもいい、潮通しの良い海で何か釣ってみたかったのだ。
大阪市内から走ること70km、透明度の高い水が私を迎えてくれた。
日中はほとんどお休みの海
眩しい日差しが海をぎらつかせている。偏光グラスをかけると、この時期にしてはありえないほど、小魚の姿も少ない。雑魚、目に見える限りでなし。これはどうやら、日中はお休みみたいらしいぞ、と思った。
しかしまあ、釣り方はある。イカゲソを極小ヘッドにつけて遊んでいると、フグ・ベラが姿を現した。暇つぶしにはいい。
視認できる小イカもいた。この時期のスレていない新子イカである。上手な人なら釣れるだろう。私はエギングが苦手なので、追わない。
夕暮れてから豆々アジの気配
7月のある時期から、夕マヅメにイワシの回遊が始まった。一瞬だけ沿岸に寄ってくる。
その姿を認めるや、アジングに切り替えた。そうすると、常夜灯下で豆アジ、小サバ、カマスが反応。何度か通って、極小ヘッドでパターン化できた。泉南ではカマスがくるので、リーダーの太さはできれば5lb張りたいが、アジが小さすぎるのであまり太くできない……。
そう、本当に今夏の泉南のアジは小さすぎる。いわゆるアンダー10(テン)。10cm以下でちゃんと掛からない。アワせるのも無理。
ギュイーンと持っていったらカマスである。カマスは20cmくらいあるので、よく引く。
ただ、豆々アジとはいえ、アジはアジだ。大阪湾沿岸では年々アジが釣れにくくなっているので、今の時期アンダー10cmでも、こいつが釣れてくれるのはうれしい。なかなかの密度があるので、おそらく秋にはもっとよくなっているだろう。楽しみ。