釣行回数のわりに、私は魚をあまりお持ち帰りしません。ルアーフィッシングはゲームなので、リリースが原則です。けれど今回は2年ぶりにタチウオが釣れたので調理してみることにしました。指3本級が6尾。そのボリュームと、ささやかな調理術をお伝えします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
タチウオを久々にお持ち帰り
今回持って帰ってきたタチウオは6尾です。F3(Finger3、指3本)が6尾です。
ちなみにクーラーボックスはわずか5Lのものです。私は持ち帰る魚が最大でもタチウオなので、丸めてしまえば魚が入るこのサイズが自分にはベストだと思っています。ここに1Lの四角いペットボトルと氷嚢を入れて、ゴムバケツを入れて、ちょうど一杯くらい。
さて、現場で血抜きだけして、自宅に持ち帰って調理です。といっても、1尾あたり、あまり大した手間もかかりません。タチウオは鱗がないので、お腹を割いて内臓を取り出したら、あとは細長い魚体を何枚かに切って、おろしていくだけです。といって、私は釣るのは得意ですが、さばくのは苦手なので、あくまで参考までに。
一日目は美味しくない?
よく言われることですが、釣魚は一日目はあまりおいしくありません。うまみが熟成されるのは2日目以降だといわれます。4日目くらいが一番おいしいと言う人もいます。ただタチウオはサバ科で、サバといえば足が早い魚なので、私はそのイメージで2日か3日目までに食べきることにしています。
しかし今回のように6尾と、たくさん釣れた日は心もはしゃいでしまいます。早速調理に取り掛かりました。ただ、自分自身の疲れも考えて、刺身と潮汁だけ。無理はしません。
刺身はまんま、二枚におろしたものをぶつ切りしていくだけです。タチウオは皮に人によってはお腹が痛くなる微毒があると聞いたことがありますが、どうなんでしょうか? 私は気にせず食べてしまいます。ただ、皮はとった方がいいのは確かです。というのも、タチウオの銀色の魚体からは乳白色の「魚汁」みたいなものが出てくるのです。
この日はF4 とF3の魚を使い、刺身をメインに、残った実と頭を潮汁にしました。
潮汁、うしおじると呼ぶのが一般的でしょうか。要するに魚を使った「おすまし」みたいなものです。以前、マゴチで作ったときに絶品だったので、タチウオでもやってみました。味付けは醤油と料理酒だけ。しかし正直、微妙です。マゴチの潮汁は天にも昇る味でしたが。
二日目、熟成完了でおいしい
さて熟成が進む2日目、残りのタチウオ4尾をさばいていきます。ほとんどを刺身にすることにして、素揚げもすることにしました。手間はかかりますが、タチウオは素揚げにしてこそマジでうまいのです。身はふっくら、骨せんべいはぱりぱり、頭部も揚げると素晴らしい歯ごたえ。お酒が進みます。
おいしい!
料理の工程はほとんど同じです。途中、刺身をつまみ食いしてみましたが、すでに身の弾力から違います。魚は死後硬直しますが、解けます。その解けた直後の味は、ぐずぐず。死後硬直→解ける→もう一度引き締まる=熟成完了。このタイミングが最高の味なのです!