意外と知らないコウイカの生態 アニサキスのリスクは低め?

意外と知らないコウイカの生態 アニサキスのリスクは低め?

アオリイカ釣りのゲストというイメージもあるコウイカ。気になる「甲」の正体やアニサキスの有無など、生態について調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

コウイカとは

コウイカ とは「十腕形上目(イカ類)・コウイカ目・コウイカ科・コウイカ属」に属するイカの一種です。アオリイカ釣りの外道と呼ばれることもあるコウイカですが、あまり知られていないのは、この外道の扱いからかもしれません。

ではコウイカの持ついくつかの特徴を見ていきましょう。

まず、コウイカの特徴して最たる例は何と言っても、背中側にある大きく硬い甲羅のような「甲」でしょう。

コウイカの「甲」

コウイカの甲は『貝殻』とも呼ばれ、主に炭酸カルシウムからできています。

海の生物が持つ炭酸カルシウムの部位としてはサザエやアワビなどの貝の殻なども同様で、非常に硬いですよね。コウイカの甲は他のイカが持つ半透明な甲とは異なり、色も透明ではなく白く、非常に幅広い長楕円形をしています。

さらにこの甲を割ってみると、その断面は幾層にも重なった洋菓子の「ミルフィーユ」のようになっています。甲の材質は炭酸カルシウムで構成され、気泡を含む構造のため、非常に軽い一方で、とても硬くなっています。

海辺を歩いていると、漂着した白い楕円状のものがたまに落ちていますが、これはコウイカの「甲」で、烏賊骨(うぞっこつ)英語ではカトルボーン(cuttlebone)などと呼ばれています。

一般的にイカは「squid」と呼びますが、コウイカの仲間を「cuttlefish」と呼び分けられています。

意外と知らないコウイカの生態 アニサキスのリスクは低め?海辺に落ちているコウイカの甲(出典:PhotoAC)

生息地

日本では関東以西、東シナ海等に生息しており、南限については明らかになってはいません。

また、海外では、中国大陸沿岸、東南アジア(ベトナム、シンガポール、フィリピンからインドネシア)、そしてオーストラリア北部にかけてまでの分布が確認されています。

コウイカは複数種いる

「コウイカ」と言っても実は様々で、日本近海だけでも約20種ほどが生息していると言われています。

そのうち日本の沿岸域で最もよく見かけるのはコウイカ、カミナリイカ、シリヤケイカの三種です。

せっかくなのでそれぞれの特徴を見ていきましょう。

コウイカ

まさにコウイカの代表ともいえる種でしょう。甲側に虎のような縞模様があるのが特徴で、墨の量がとても多いのが特徴です。

関東ではスミイカと呼ばれていますが、西日本ではマイカやハリイカとも呼ばれています。あまり潮の速くない砂地の浅瀬を好む傾向があります。

カミナリイカ

コウイカによく似ていますが、楕円形の紋のような模様があるのが特徴で、モンゴウイカとも呼ばれています。

ちなみに、スーパーなどで「紋甲イカ」と書かれたイカの切り身を見かけることがあるかと思いますが、これはほとんどの場合、ヨーロッパコウイカなどの海外産のコウイカ類で、カミナリイカではありません。

カミナリイカ(紋甲イカ)を食べたい場合はスーパーでは手に入らないため、自分で釣るか、鮮魚市場等で購入するのが確実でしょう。

また、コウイカよりも大きくなるのが特徴で、キロオーバーなんてことも珍しくありません。コウイカと同じく、砂地を好むため、釣れたイカがコウイカなのかカミナリイカなのか判断するのは少し大変かもしれません。

シリヤケイカ

こちらもコウイカによく似た形のイカですが、たくさんのゴマを散らしたような白い斑点があること、また、胴の先端が二つに分かれているのが特徴です。このことから関東ではゴマイカとも呼ばれることがあるようです。

胴の先端部は二つに分かれていますが、そこには小さな穴があり、赤褐色の粘液を分泌することが出来ます。この粘液が外側からも色をが透けており、赤茶色に染まっているように見えることから、「尻が焼けたように見える」ということで、シリヤケイカという名前がついたと言われています。

コウイカの中ではあまりおいしくないと言われることも多いですが、シリヤケイカの甲をつけたまま干物にしたものは「甲付きスルメ」と呼ばれ、瀬戸内の特産品になっています。

エサのとり方は三段階式

海底付近を好むコウイカはエビやカニ、小魚などを好んで食べます。

コウイカに限らず、イカはエサを獲るときは【触腕】という10本ある足の中でも腕に近い役割を持つ少し長い足を使います。コウイカの場合は普段は足を揃え、流線型をしているがエサを見るときは腕を下に下げ、人と同じように両眼で立体的に物を見ます。

そしていざ狩るときは、(1)体を餌に対し真っ直ぐに向ける『アテンション』という行動をとり、(2)適切な距離に近づく『ポジショニング』し、(3)それから触手を伸ばして狩る『アタック』という三段階の行動をとります。

両目で見ることで、エサとの距離を正確に測れるため、イカの捕食確率は動物の中でもかなり高いと言われています。また、非常に知能も高く、エサを入れたガラス容器を水中に沈めても同様の捕食行動をしますが、一度失敗をすると、このエサは取れないと判断して二度と捕食行動をとらなくなります。

このことからイカは経験から学習できるだけの高度な知能を持っていることが分かります。

意外と知らないコウイカの生態 アニサキスのリスクは低め?長い触腕(出典:PhotoAC)

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