釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について

マイクロプラスチックが問題になっているが、釣りイトに絡まった動物は定期的に問題になるし、去年は根掛かりしたタコエギがニュースになった。今回は釣り人目線で海洋ゴミ問題を考えてみた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

Avatar photo
有吉紀朗

1967年兵庫県明石市生まれ。奈良県在住。水産系の学校出身で仕事も水産系。小型船舶免許も高校生で取得。釣り歴40年以上だけど下手の横好きで自分が釣れれば誰でも釣れる。

×閉じる

船釣り エサ釣り

タコエギの根掛かり

船からも陸からも、タコエギングの季節が本番を迎えた。100円のエギからラトル、匂いや光るものと溢れるくらいエギは多い。100均エギをタコ用に改造したものはかなり安い。根掛かりしても惜しくないものだから、0.3号とかの細いPEで攻める人もいる。海にゴミを捨てているのとかわらない。

昨シーズンの神戸新聞には「明石市漁連が操業中に揚がったエギを漁師から回収したところ、6月中旬~8月末で約1万6千個に上った。岩場などに根掛かりし、放置されたエギで好漁場が埋め尽くされていた」とある。仮に1個300円のエギの計算で480万円と結構な価格となっている。

そもそも去年はタコエギだけではなかった。ミチイトやリーダーをスパッと切っていくサバフグの登場で、タチウオテンヤも相当に海底に眠っている。こちらはタングステンの高いものだと5000円ほどもする。

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について人気の釣りターゲット・マダコ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

海洋ゴミと水産資源

同じく神戸新聞が伝えるには、水圏環境教育が専門の東京海洋大学術研究院の佐々木剛教授(54)は、水産資源の保護と絡めて海洋ゴミの問題を論じる。「例えば明石名産のタコを守り育てる意識を、地元市町が中心になって高める。それが釣り人らの海を大切にする意識につながる」とし、行政と市民が一体となった環境に優しい仕掛けづくりなどを提言と書いている。

今年もタコは少ない。リリースでポイントが貯まるというような制度も導入されている。大阪府内でもタコ釣り禁止の一文字とタコ釣りを激励している一文字がある。船釣りにしろ陸釣りにしろ、釣りは環境負荷を与えているのだから、少しでも負荷を軽減できる釣りをしたいもの。

「釣り人はお金を落とさずにゴミばっかり落としている」から「釣り人が地域経済に貢献してゴミを拾ってくれる」というのが九州・天草の取り組みだが、近畿圏でもぜひ取り組んでみてほしい。これからの季節、防波堤の悪臭とゴミも盛期に入る。

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について環境がよくなれば釣果も上向く?(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

根掛かり回避術

船から狙う普通の胴つき釣りでも注意するのが根掛かりの防止。昔は根掛かりしてもいいように使用済点火プラグをオモリかわりに使う釣りもあったし、深海釣りなんかでは切れた時用に鉄オモリを使う、捨てイトと言って根掛かりしたら切れるイトもあったが、今私が使っているオモリは根掛かり確率がうんと少なくなった。

これは普通の六角オモリに穴をあけて爪楊枝を差し込むだけの簡単なもの。海に対する負荷をまったくゼロにはできないが、なるべく環境負荷をゼロにする釣りをしたい。

オモリの加工は以前、当サイトで釘を使いオモリに穴を開ける方法も書かれていたが、なかなか力がいるので、自分は電動ドリルを使って穴を開けている。これに爪楊枝をさしこむだけで接着剤もなにもつけない。オモリが岩や石の間に入るまえに爪楊枝が先に引っ掛かり、根掛かりを防止してくれる。デメリットは流れ藻をよく引っ掛けてしまうことぐらい。陸からの釣りでももちろん有効。

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について電動リールで穴をあける(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

昔、磯から底物釣りばかりやっていたころは真空オモリにゴムをかぶせる根掛かり防止も有効だった。こちらは根掛かりしそうな場合ゴムの反発で回避するというもの。仕掛けが違うので仕方ないが、六角オモリにかぶせて使ったこともあったが、あまり効果が感じられなかった。

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について底物釣りではゴムを被せたオモリが有効だった(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

細イトとルアー回収機

陸からの釣りでは細いライン(ミチイト)が流行しているが、細いラインでは少しの根掛かりでも高切れしている場合が多い。「100円ルアーだからいいねん」と言う人もいるが(六角30号も100円くらいする)高切れ=ゴミポイ捨てなのだから細いラインでは底を取らないようにしたい。

陸からの釣りでルアーが根掛かりしてしまった場合は、回収機という道具も市販されている。ダブルスナップに六角10号位をセットして、ミチイトにセットする。サオを立てオモリをルアーの所まで滑らし、カチッと手ごたえがあればサオをあおってオモリをはねさすとルアーが外れることもある。

保冷用発泡スチロール

陸からのゴミでよく目にするのが、魚が入っていた発泡スチロール。これが風に飛ばされて海を漂うといった感じで、環境破壊が進行している。自分が勤務している市場では水産、青果とも発泡は洗ってから1カ所に集て加熱し再利用に加工する。

釣り人目線で海洋ゴミ問題を考える 根掛かり回避と回収について再利用のために加工された発泡スチロール(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

<有吉紀朗/TSURINEWSライター>

緊急事態宣言は解除されましたが、外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。