ムギイカ釣りの季節
初夏。小麦畑の穂が実りの季節を迎える頃、日本海の上越沖ではスルメイカの子・ムギイカ釣りのシーズンを迎える。日中の暑さとは打って変わり、日が落ちてからの夜釣りは涼やかで心地よい。また、ムギイカは食道楽的な観点においても、やわらかく甘さを感じる身もさることながら、他のイカよりも大きな肝を持っているのが魅力的だ。
今シーズン、筆者は天候との折り合いが悪く、何度か遊漁船を予約するものの、欠航になってしまったり、出船できても夜釣り開始前に早上がりになってしまったりで、一度もムギイカ釣りの竿を出すことができずにいたが、最終盤の7月上旬になりようやく竿を出すことができた。
金栄丸にて夜イカ釣行
上越地方の風物詩ともいえる夜釣りは、春先のヒラメ釣りに始まり、初夏にはムギイカになり、その後アカイカに移行していく。筆者が能生漁港・金栄丸に乗船した7月上旬は、他船ではすでにアカイカ釣りを開始している遊漁船もあるほどで、ムギイカはすでに最終盤の名残に近い時期だった。
ムギイカに目がない筆者にとっては、このギリギリの時期にムギイカ釣りができるだけでもありがたい。とはいえ、できるならそれなりに釣果にもあやかりたい。
基本の釣り方
この日のムギイカ釣りのポイントは漁港から1時間ほど走った海域。夕日を眺めながら釣りを始める。水深は140m前後。スッテやプラヅノの胴突き仕掛けを海底まで落とす。これまでの経験では、釣れ出すのは日が完全に落ちてからで、明るいうちはあまり釣れない。
最初は底付近にいるイカのタナが、夜が更けていくにつれて上層に上がってくる。好調時は海面から10-30m付近の浅場まで上がってくる。イカの群れが濃く浅いタナで多点掛けがでるときは数釣りが期待できる。