キスも大型の新鮮なものなら刺し身にいいが、少し下味をつけるとさまざまな料理に使える。そこで今回は、昆布締めにして旨味が増し美しく透き通った身を使い、キスの握り寿司に挑戦してみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
キスが盛期へ
キスが安定して釣れるようになってきた。紀ノ川河口部の釣りの模様はすでにレポートしているが、その1週間後、再度釣行してみたところ、午後の下げ潮回りにもかかわらず17匹の釣果があり、型も17~18cmクラスの中型が中心と安定して釣れるようになってきた。これからは、遠投で、チョイ投げで、ベストシーズンといえる。
釣ったキスの保存と持ち帰り方
釣れたキスはクーラーにすぐ投入する。その際、魚が氷や保冷材に直接接触しないようにしたい。
そして、魚はクーラーに入れたままで持ち帰る。近距離の釣行なら保冷材でもいいし、少し遠めの日帰り釣行でも、大きめの板氷1本で十分持たせることができる。
キスの下処理
鱗を取り、内臓をきれいに取って3枚におろす。包丁を寝かせて腹骨も取る。今回は皮をつけたまま使った。
キスを昆布締めにする
昆布を器に並べ、その上に下処理をしたキスの身を並べてゆく。同じ昆布で蓋をして、皿の上からラップをかけて冷蔵庫へ入れる。約1日寝かせるとキスの身が半透明になり、昆布の旨みが浸透している。
冷蔵庫から出す。ラップをとると、キスの昆布締めができている。
昆布で締める時間
冷蔵庫で昆布締めにする時間は、好みで調整できる。軽く締めるなら1~2時間でいい。生の刺し身から少し水気が取れた状態で、魚の旨みが凝縮された感じでほんのり昆布の風味も味わえる。
プロの職人さんがキスの握りを作っている動画を拝見したが、軽く昆布締めしたキスを使っていた。下処理の時には、血合い骨を毛抜きで抜いておられた。
握り寿司を作る
回転寿司店で購入したシャリ玉を用意。そこにチューブ入りの練りわさびを少し塗り、キスの昆布締めを載せて握る。
今回は1日昆布締めにしてキスの身が半透明になっているので、キスとシャリの間に赤じそのカットしたものと、木の芽をあしらったものを作ってみた、キスの身を通してかすかにしその赤みや木の芽の緑が見えて面白い感じである。ミョウガの葉を1~2枚はがし、シャリにのせて握ったものも1つ添えてみた。
できるだけ早く食べる
梅雨から夏場にかけては、食品の保管に気を付けなかればならない。特に注意しなければならないものは、水分とタンパク質の両方が多い食材で、魚の切身がまさにそれにあたるので、食中毒に注意が必要である。
特に魚の場合は生~半生の状態で食べることも多いので、調理する時の衛生状態に十分留意するとともに、調理後はすぐ食べるのが望ましい。
<牧野博/TSURINEWSライター>