片貝でファン待望のヒラメが7月1日解禁を迎えたので、早速、増栄丸で釣行してきた。船中トリプルヒットするなど、ヒラメの活性高く、筆者に至っては3.5kgをゲット。絵に描いたような有終の美を飾り、大満足な一日となった釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・大村隆)
増栄丸でヒラメ釣り
7月2日(土)早朝、都心からもっとも近い外房の海、片貝の増栄丸へ。乗船名簿に記載し、集まった13人のファンとともにこうこうと点灯された船に乗り込む。船が大型なので、ゆったりと間隔をとって座る。私の釣り座は右舷トモ3番。
4時を回るころ、岸壁で手を振る女将に見送られ、熱田正二船長の舵で出船。天候は快晴、南西風は弱く海上はベタナギ状態。途中で見事な日の出を迎え、安全と好漁の祈願をする。
当日のヒラメタックル
航程50分、解禁海域に入るとスローダウン。「投入開始は5時になります。準備をしてください」とのアナウンス。同時に仲乗りが活きイワシを各自のオケに5尾ずつ配って回る。
定刻になると「はい、始めましょう。水深は25m、漁礁の上だから根掛かりに注意してください」とのアナウンス。
イワシを小網で掬い、目を覆うようにして軽く握り、親バリをイワシの口の中から上アゴの硬い部分に刺し抜き、孫バリは肛門付近に掛ける。暑いなかでのエサ付けはイワシが弱らないよう手を海水で冷やし、なるべく早く行うことが肝要だ。
1投目で船中トリプルヒット
サミングをかけながらやさしく送り込み、トンとオモリが底を打ったら素早くイトフケをとる。イワシが底上0.5~1mの範囲を泳ぐイメージをしながらわずかに底を切ると、早くもグッグッとヒラメの魚信。あまりの早さに戸惑いながらも「初アタリだ。何としても物にしたい」
竿先を下げて食い込みを促す。グッグィーと次第に引き込みの振幅が広がり、さらにグィーときたところで、竿を大きくあおり上げる。竿を45度に起こしゆっくりと巻き始める。右隣を見ると、小野さんも懸命に巻きあげている。
驚いたことに、トモに座る同行の久保田さんも竿を湾曲させて巻き上げの真っ最中。何と1投目からのトリプルヒットだ。いずれもキロには一歩届かぬソゲ級だったが、まずはヒラメとの対面を果たし、顔を見合わせホッとする。
この流しでは、左舷でも2尾のヒラメが取り込まれた。船長は再び船を潮上へ回して同じポイント上を流してくれたが、アタリは訪れない。
ナイスサイズの肉厚が浮上
新たなポイントの探索に入る。すると右舷ミヨシ2番に座る阿部さんの長竿が見事な放物線を描いた。遠目ながらも、竿先がグッグィンと激しく引き込まれている。「これは良型に違いない」とカメラを手にして飛んでいくと、ナイスサイズの肉厚が浮上。
仲乗りが差し出すタモへ滑り込んだ。魚を掲げてくれた阿部さんは「解禁を待ちわびて出かけて来たが、早々にいい土産を確保できラッキーだよ」と笑顔。
その後も船長はこまめに移動を繰り返し、そのたびに船中のどこかでヒラメが取り込まれていく。左舷ミヨシで竿を振る斉藤さんも3尾目となる1kg超えの肉厚を取り込む。
「食わせるまでのワクワク感がたまらなくて、シーズンインを楽しみにしていました」と満足げな笑顔を見せる。仲乗りは状況を見ながらタイミングよくエサの補充をしてくれるので誰もが竿先を注視し、実釣に専念できるのが嬉しい。
高級ゲストも多彩
ポイントによってはヒラメだけでなくマトウダイ、ソイ、カサゴなどのゲストが顔を見せる。左舷胴の間に座る阿部さんも腹ぷっくらのソイを取り込み、「以前はアユを主体に川釣りをやっていたが、今はもっぱら沖釣りです。船長をはじめ皆さんが穏やかで親切なので、ここへ通っています」とご機嫌な笑顔。