アナハゼのちょっと変わった生態 見た目怖いけど磯遊びの楽しいお友達

アナハゼのちょっと変わった生態 見た目怖いけど磯遊びの楽しいお友達

比較的どこにでもいるサカナ「アナハゼ」。見た目が怖いのでリリースしがちですが、あまり詳しいことを知らない人も多いのではないでしょうか。アナハゼについて調べてみました。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部 立石)

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アナハゼってどんなサカナ?

アナハゼはスズキ目カジカ加アナハゼ属のサカナです。

北海道と沖縄を除く、日本各地の近海沿岸の岩礁域や、アマモ場などに生息しており、干潮時のタイドプールでもよく姿を見せてくれるサカナです。

体長は15~20cm程度で、口が異常に大きいのが特徴で、その大きさは眼の後縁に達するか、超えるほどです。

模様については生息場所によってまちまちで、体の背面や側面の斑紋があるものもいれば、ほとんど無いものも存在します。

また、模様だけではなく体色もバラバラで、茶色っぽい個体や、黄褐色、青緑色が混ざったものなど様々で、あまりサカナに詳しくない人には別のサカナに思えてしまうでしょう。

アナハゼのちょっと変わった生態 見た目怖いけど磯遊びの楽しいお友達ゲストで釣れる(提供:週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志)

大きな特徴でいうと、普通サカナには鱗がありますが、アナハゼにはウロコがなく、体はぬめりに覆われています。

ちなみに、ハゼと聞くとマハゼを思い浮かべる人も多いかも知れませんが、マハゼはスズキ目ハゼ亜目のサカナなので、ハゼと名前についてはいますが、全くの別のサカナだと言えます。

産卵も特徴的

産卵期は12月頃で体内配偶子会合型という特異な産卵行動をするのも特徴の一つです。

どんな方式か簡単に解説すると、アナハゼは交尾をする時期と産卵をする時期がずれていて、交尾は産卵の2~3ヶ月前から行われます。

多くの生物は、メスの体内で精子と卵が出会うとすぐに受精し胚の発生がすすみますが、アナハゼの場合は交尾は行っても、精子と卵は受精しません。

受精が行われるのは産卵時で、精子と卵が体外に放出され、海水に触れると胚発生が始まります。

メスは輸卵管を用いて、海底の岩などに固着しているホヤなどの体内に卵を産み付けます。

性格は非常にどう猛、そして肉食

貪欲な肉食魚で魚類や甲殻類を食べるため、ルアーフィッシングでは度々姿を見せることがあるアナハゼ。

警戒心は高くはなく、動くものを狙う習性があるのでルアーにもよく反応してしまうのでしょう。

また、交尾期を終えたメスはどんどん体が大きくなるため、オスを頭から丸飲みにしてしまうこともあるようです。

毒はあるの?

見た目がとげとげしく、色も毒々しいことから毒を持っていると勘違いされがちですが、アナハゼには一切の毒はありません。

そのため警戒せずに触れることはできます。

しかし、背びれに立派なトゲを持っているため、刺さると非常に痛いです。

背びれに毒自体は持っていなくとも、傷口からばい菌が入って炎症を起こしてしまうこともあります。

釣れてしまった場合は、素手では触らず、フィッシュグリップ等を用いるといいでしょう。

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