毎年ゴールデンウイークを過ぎると、滋賀県の琵琶湖近辺から小アユの情報が聞こえてくる。近江の国に夏の到来を告げる使者とも言うべき小アユは、トモ釣りとは違って家族連れで楽しめる、手軽な釣りだ。今回はそんな初夏の風物詩である小アユ釣りを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
釣り方
ポイントは、まず橋の上や土手の上から川の様子を観察してみよう。キラキラ光る群れがいれば、それが小アユだ。足場のいい所に釣り座を構えたら、まずはエサの準備。それが終われば仕掛けのセットだ。
ラセンにまきエサを握り付けたら、必ず自分の立ち位置よりも上流に仕掛けを振り込むこと。そのまま放置すれば、大きめの玉ウキが流されて仕掛けもそれに引っ張られて流されていく。同時にまきエサが少しずつバラけ、仕掛けと同調して流れる。
このとき、スーパーボールオモリは、コトコトと底を引きずるように流れていく。仕掛け全長が水深よりも長いので、必然的に仕掛けは斜めになる。仕掛けよりも水深があるポイントであれば、ウキ下を長めに取ってスーパーボールが底を流れて、なおかつ仕掛けが斜めになるように調整しよう。
ウキは本来アタリを取るためのものだが、この釣りに関していえば流れの力を大きめのボディで受け、コンスタントに仕掛けを流す帆船の帆のような役割を果たす。
仕掛けの角度は30~45度くらいが目安。水深が極端に浅いチャラ瀬などでは、さらに角度は小さくなるが全く問題ない。そんなときは仕掛けのすぐ上にウキをセットするようにする。
アタリはウキが不自然に躍りだしたり、あさっての方向に引っ張られたりすることもあるが、ウキに引っ張られる仕掛けを見ていると、小アユが食ったときにギラリとヒラを打つ。この時点でサオを立てると、高確率でハリ掛かりする。
初期の小アユは良型が多い。これは諸説あるが、体の大きい力の強いものから遡上するという、自然の摂理なのだそうだ。15cm近いサイズも掛かることがあり、意外に暴力的な走りを見せてたのしませてくれる。
釣った小アユはランドリーボックスのイケスに入れておくが、ある程度たまったらクーラーに移すようにしよう。
小アユは比較的足の早い魚だ。少し傷むだけで腹が破れてしまう。多めのバラ氷を入れ、水を少し入れて水氷に入れて持ち帰るようにしたい。
小アユ料理は絶品
小アユは何にしてもおいしい。定番の天ぷらや唐揚げ、フライなど揚げ物の他に甘露煮、素焼きにしてからのアユ雑炊など。また増水後の小アユは腹に砂をかんでいることが多いので、そんなときは面倒だが腹を出してから調理してほしい。
今年は少し出遅れ気味の小アユだが、ひと雨降れば一気に本格化する。小さくてもアユ、香魚の異名はダテではない。そのスイカの香りは大人のアユと何ら変わりはない。釣って食べて、近江の国の夏を満喫してほしい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>