惣菜材料や寿司ネタとして食卓に欠かせないサケ・マス。これまでその多くを輸入で賄ってきましたが、世界情勢の影響を受け、全国でその養殖が盛んになってきています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
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高級ブランド魚も
これまで、サケ・マス類の養殖といえば上記のようなギンザケ、あるいはトラウトサーモンが主流でした。しかし近年の生食需要の高まりやそれに伴う魚価の向上に伴い、より高級な品種の養殖も盛んに行われるようになっています。
例えば、静岡県熱海市では、ダイダイの果汁を混ぜた餌で養殖した「サクラマス」が養殖され、先日初めて出荷されました。サクラマスは本マスともいわれ、陸封型のヤマメとともに高級魚として知られるものです。市場に先だって振る舞われたイベントでは、キロ2000円と養殖魚としてはなかなかの値を付けたそうです。
![国内各地のサケ・マス養殖が活況 先行き不透明な世界情勢の影響も?](https://tsurinews.jp/data/wp-content/uploads/2022/04/20220422sake02.jpg)
新潟の佐渡島でもサクラマスの養殖が行われており、「佐渡満開さくらます」のブランド名で出荷されています。こちらも品質の良さが知られ、サイズ次第でキロ10000円ほどになることもあるといいます。
これらのサクラマスや、あるいは3倍体のニジマス、マス類をかけ合わせて作られた食味の良い品種のマスが各地に存在しており、刺身や寿司ネタなど単価の高い料理の食材として人気を伸ばしています。
今後の世界情勢や円安の進行次第では、海外産の安価なサケ・マスは今以上に入ってこなくなる可能性が高く、このような国内のサケマスの需要がより伸びていくのではないかと考えられています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>