ここのところ不調の神戸・和田防波堤だが、「こんなはずじゃない」と懲りずに釣行。常連を真似た遠投が当たり、大サバに大アジをキャッチした11月20日の釣行の模様をリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
午前中は大サバ1匹のバラシだけ
夜明け直後から、内向きにサビキ仕掛けを遠投して釣り始めたが、全く反応がない状態が延々と続く。周りではルアーマンがサワラ・サゴシ、フカセ釣りの人は良型の波止グレ、シラサエビのウキ釣りの人はメバル・ガシラと、そこそこ釣果があがっていて、魚の活性はいいようだが、私はカヤの外。アジを買って持ち込んだノマセ釣りの人も不発で、お互い慰め合うばかり。
時間だけが過ぎ、夕方の時合いまで時間をつぶしているだけの状態になったが、11時半ごろに突然ウキがズボッと沈んだ。少し待って食い込みを確認してから巻き上げ始めると、グングンと強い魚の引きがサオ全体に伝わってきた。ついにきたかと慎重に寄せてくると、期待通りの大サバが海面に姿を見せた。
このワンチャンスを逃すまいと慎重を期してタモ網を手にしたが、大サバならではの海面での横走りに翻弄されたあげくに、タモ入れ直前で痛恨のバラシ。逃がした魚は大きいとは正にこのことだ。その後もアタリがなく、12時ごろの干潮を一区切りとして、最初の釣り座には見切りを付けて移動することにした。
午後からサバ&アジの時合い
午後からの釣りは、船長の言っていた西の赤灯台辺りに釣り座を移動し、夕マヅメの狙いに切りかえることにした。13時の便では夕マヅメ狙いや半夜釣りの人が多く渡ってきて、波止上に賑わいが出てきたが、その中で1人の常連の姿が目に留まった。
遠投カゴテンビン釣りが得意で、何度も釣果情報に掲載された凄腕のこの人がこの場所に訪れたことで、私にもチャンスはあると前向きな気持ちになったが、始めたのは期待外れのサヨリ釣り。常連は軽やかにサヨリを次々と釣りあげ、腕前のよさを見せてくれたが、遠投ウキサビキ釣りの参考にはならない。手本にしてあやかろうという思いは早々に崩れ去った。
散発的にガシラが掛ったものの、気持ちは晴れない。ところが14時半を過ぎたころ、近くの釣り人が大サバを釣り上げて、状況は一変した。常連も遠投カゴテンビン釣りに転じ、パタパタッとデカアジの釣果を重ね始めた。私も気合を入れ、手返しも繰り返すがアタリはない。うらやましがる私の視線に気づいたのか、「タナが合ってないんちゃうか?」とアドバイスを送ってくれた。
しかし、タナはガシラが掛かる底近くにセットしていて間違いないはず。内心焦り始めた。
「超遠投」で大サバ2匹を捕獲
「ワシらの分がなくなりますやんかあ」と大サバ中心の周りの釣り人から言わせるほどに、常連だけはデカアジの釣果を重ねていく。エサ付け、タナ、タイミングと、何が違うのかと常連の一挙手一投足に目を凝らすと、大きな違いに気が付いた。常連の手本の答えは「超遠投」。ウキの場所が常連は私よりもさらに遠かった。魚の群れは相当沖のほうに回っているようだ。
ならばと、まきエサカゴを1サイズ小さくし、その分アミエビをきつく詰めることで、サオのコントロールがしやすい遠投重視のタックルにマイナーチェンジし、常連と同じ距離の沖に投げ入れると、これが正解。数投目にウキがズボッと沈み。ほどなくしてサオ先から強い引きが伝わってきた。
大サバの魚信と確信し、今度こそと慎重に海面まで寄せてきて、午前中のバラシの反省から、今度はタモを使わず抜き上げを試みて成功。体長こそ38cmだが、丸々と太った魚体の見事な大サバをようやく仕留めることができた。
「今日は始まりがえらい早いな」と常連の声が聞こえてくる。15時台で夕マヅメには早いが、時合い到来とみて間違いない。活け〆・血抜きを急いで済ませて釣りを再開すると、すぐさまウキがズボッと沈んだ。今度も同じような魚信。既にパターンをつかんでいるので、魚とのやりとり、抜き上げも自信をもって臨め、2匹目の大サバを追釣した。