細分化が進むカワハギ竿。なかでも、高性能モデルは1ピース(ないしバットジョイント)が主流。しかし、今年シマノがリリースした「ステファーノXR」は3モデルともセンターカット2ピース。その実力を知るべく相模湾でシマノインストラクター飯田純男さんの実釣を取材した。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・大高崇)
硬さによって長さ異なる理由
根周りから浅場の海藻帯などへ転戦すると、竿をステファーノXR M180‐2に交換。集寄を付けて、たるませたりはわせたりする釣りにシフト。
まず気になるのが長さ。なぜHが170なのに、Mは10cm長い180なのか?
「竿を下げてたるませたり、はわせたりする釣りでは、そこから竿を上げていって仕掛けを張ってテンションを掛けていく動作が重要。海況が悪いときや潮が速いとき、深場をやる場合には、竿をかなり上げてテンションを掛けるので、短い竿だと上がり切ってしまう。当然そこでアタったら、竿を上げてアワせる余裕がなくなってしまうんです」
とのこと。わずか10cmとはいえ、釣り方が変われば必要になってくる10cmだ。
張りがある好感度のカーボンソリッド穂先との相性もよく「穂先だけを集寄を動かして誘っていても手に伝わるアタリでアワせていける」とのことで、この釣り方でも本命を追加。
MHでダメ押し
終盤はやや食いが上向き再び底上1~2mを狙う宙の釣りにシフト。ここではステファーノXR MH175‐2を使用。
「MとHの中間的な特性です。具体的には、底上を狙って掛かりが悪いとか、浅場でタナを探るのにはいいでしょう」とのこと。
ここでも底上2mを探って追釣。
ショート船かつ、3本の竿を使い比べるというミッションもこなしたうえで釣果は6尾。
ビギナーには「H」がオススメ
「よく〝ステファーノの竿は難しい〟と言われることがあるんです……」と飯田さん。
ハイエンドモデル故、竿が釣り人に与える情報の量やスピードは段違い。そのため、エキスパートには、「次にどうすればいいのか」という判断ができる余裕が生まれ、釣果につながるが、ビギナーの場合混乱してしまうことも少なくない。
では、ビギナーが【まず1本】選ぶならどういう基準で選べばいいのだろうか?
飯田さんは「今回のモデルであればHから、つまり硬めの竿から持つことを勧めています」と回答。
硬めの高感度の竿で釣りを重ねて、竿から伝わるたくさんの情報を収集したうえで〝もっとゆっくり誘いたい〟〝シケ気味のときはもう少し軟らかい方がいいかな〟〝たるませて釣らないと厳しいな…〟と言った具合にたくさん悩んで「自分に必要な要素を補ってくれるようなモデルを買い足していくといい」と教えてくれた。
ステファーノXR
超絶スペック2ピースロッドの登場で、「せっかく高い竿を買っても狭い車にしまうとき折らないだろうか…」「電車で長竿を持って釣りに行きたくない」と1ピースゆえにハイエンドモデルに尻込みしていた人にも選択肢が加わった。また、エキスパートには2ピースゆえのメリットを釣り場で体感してほしい。
<大高崇/TSURINEWS編集部>