秋も深まり、落ちハゼ釣りはこれからが本番。サイズが大きなハゼとのテクニカルなやりとりを楽しんでみませんか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター菊池英則)
東京湾のハゼの一生
ハゼは冬に東京湾など海の深場で卵から生まれて、春先から東京湾奥の運河などの浅場にソ上し、6月以降はいわゆる「デキハゼ」として釣りの人気ターゲットとなります。秋までに大きく成長したハゼは、9月以降今度は深場に移動を始め、晩秋にはいわゆる「落ちハゼ」として、マニアックな釣り人が狙うようになります。
さらに季節が進んで12月を過ぎると、ハゼは産卵のために口で穴を堀るため、口のまわりが黒い「お歯黒」と呼ばれるようになります。そして産卵したハゼは一生を一年間で終えますが、一部は生き残りいわゆる「ヒネハゼ」として、次シーズンの最初に釣れる大型のハゼとなります。
落ちハゼシーズンは10~12月
このように浅場から深場に落ちるハゼのポイントは、季節によってかわります。夏場の人気ポイント、中央区月島の佃堀などは、9月過ぎから徐々に魚影が少なくなり、10月上旬を最後に姿が見えなくなります。ハゼが深い場所へと移動してしまうのです。
この落ちハゼ釣りのシーズンは、10~12月。水温が下がるにつれ徐々に釣れる水深(タナ)が下がっていきます。10月は2~3mだったタナが、12月には場所によっては水深10m近くになります。こうなると岸からノベザオで狙うことは難しく、リールザオかボート、乗合船で釣ることになります。
落ちハゼ釣りの魅力
このように深場を狙う落ちハゼ釣りですが、何よりも大型のハゼが狙えるのが魅力。デキハゼと違い、エサにやみくもに食いつかないなど、成長して賢くなった落ちハゼとのテクニカルな駆け引きが醍醐味です。
かつては練り船が風物詩
東京湾奥、いわゆる江戸前の落ちハゼ釣りは、かつては船宿が出す練り船で釣るのが、晩秋の風物詩でした。練り船とは、エンジンではなく木の櫓をこいで、ゆったりと釣る乗り合い船で、和ザオを釣り人が操って狙う風景は絵になる光景です。今でも、深川の船宿「富士見」では、江戸前の運河筋を狙う乗り合いのハゼ船を出しており、釣りをしていて時折見かけることがあります。