典型的な〝夏タチ〟の様相を見せる今年の東京湾。浅場で中~小型が主体となる釣りでは、天ビンを使った吹き流し仕掛けに分がある。今回はオーナーばりの「船太刀魚の基本1本」、「船太刀魚の基本2本」を使って、夏タチを攻略してきたので、その模様をお届けする。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・佐藤理)
東京湾『夏タチ』パターン
海水温の上昇?もしくはエサとなる小魚が湾奥~湾内に滞留していることが関係しているのか、厳寒期も深場へ落ちることなく釣れ続けている東京湾のタチウオ。
昨年はテンヤ釣りが大ブレイク。早い時期から大型が釣れていたが、今年は本来の〝夏タチ〟の様相。浅場で中~小型主体に天ビンを使った吹き流し仕掛けのエサ釣りやジギングに分がある。
ただ、今までと少し違うのは、今まで以上に狡猾になっている点。アタリはあるのに、なかなか食わせることができず試行錯誤。しかし、この歯がゆさが〝エサ釣り〟の面白さであり、毎週通うファンも少なくない。今回、その魅力にどっぷりハマっている東京在住の浅野裕一さんに密着。
弁天屋で天ビンタチウオ釣り
7月14日(水)、東京湾金沢八景の弁天屋へ。本田和芳代表が担当する一日船で実釣取材を行った。
定刻の7時15分に桟橋を離れると、船は第二海堡周りへ。ふた流し探ってみるがアタリなし。すぐに移動が告げられ観音崎沖へ走る。
船団から少し離れたところで開始の合図。指示ダナは海面から50~35m。オモリ60号で仕掛けを投入すると、ミチイトがトモ方向へと斜めに入っていく。湾口に向かって流れる下げ潮が速く、すかさず船長から「オモリを80号に交換して」「エサはつねに新しい物を使ってくださいね」と指示が出る。
メリハリある誘いに好反応
浅野さんは、まず、2本バリ仕掛けでタチウオの様子を見るという。枝バリに多くアタってくる=よく動くエサに反応すると判断。強めのアクションから入っていく。
ただ、潮が速いときは必要以上にエサが暴れるので、誘いはスーッ、スーッとソフトにゆっくり。リールのハンドル回転は1/4ピッチと細かくして、タチウオがエサを追える速度で。
やがて、潮が緩むとショートピッチアクションで、しっかり止める間を作るメリハリのある誘いに好反応。レンジは狭く、45mでのアタリがほとんど。それでも、船中全体で釣れ始めて、魚の活性は悪くない。相模原市の相原さんもアタリが集中するタナを見つけて集中的に誘いアベレージサイズを取り込む。
その時々で最良な誘いを導き出す
このように、潮の速さやタチウオの動きを見ながら、シャクリ幅と強さ・速さ(ロッドアクション)と、リールハンドルの回転(イト巻き量)と速さ、リズムや止めの時間……。これらの無数にあるパターンを組み合わせ、その日、その時どきに最良な誘いを導き出す面白さがある。
ちなみに、釣れている人の誘いを真似てみたり、アタリや食ってきたタナを聞いてみたりするのも釣果への近道。