東北地方の春を代表する釣りとなったサクラマスジギング。その人気は全国的になりつつあります。この釣りの何がアングラーを魅了してやまないのか?考えてみたいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
4.トリッキーなファイト
サクラマスの活性にも絡んでくる内容です。サクラマスジギングでは、ファールフッキングいわゆるスレ掛かりも多い釣りです。突然のバイトでロッドティップに衝撃が伝わったと思ったら、一瞬でジグの重みがなくなってロッドティップは真っ直ぐになって生命感を伝えなくなります。アングラーが「???」となった瞬間、船の前方でサクラマスがジャンプ。サクラマスジギングではよくある光景です。
船の前方に魚が浮上するなら、まだいい方。時には反対弦側でサクラマスがジャンプ、他のアングラーのメインラインを全て絡めてオマツリ発生なんてことも珍しくありません。こういった事態はサクラマスの活性が低い場面でファールフッキングした場合によく発生します。焦らず冷静に対処すれば、キャッチに繋げられますが、経験の有無も大切になってくる場面です。
サクラマスの背中にフックアップすると、ファーストランは強く長くなる傾向がありますので、過度のドラグ設定は控えめにしてバラシを減らすなどの対応も必要になってきます。バイト後のサクラマスはすぐには走りません。身体をクネクネとローリングさせてハリを外そうとしますので、ロッドティップがガタガタと揺さぶられます。適正なプレッシャーを掛けつつジグを飛ばされないように保持して対処してください。
間違いなくこのトリッキーなファイトもサクラマスジギングの難易度を上げる要素で、釣り上げた際の達成感を際立たせる要素になります。
5.経験の差が釣果に繋がる
オフショアサクラマスジギングでは憧れのサクラマスを手中にできる可能性が高い一方で、バイトさえ得られないこともよくあります。釣れるアングラーは一握りで、その他のアングラーはバイトなしか、或いは1匹キャッチのみ、なんてこともザラにあります。イヤ、通常数人のアングラーのみが複数の釣果を得て、他のアングラーは0~1匹キャッチで終わることも当たり前にあります。
つまり、釣果についてはそのアングラーの技術的な経験値によって左右されることが多いのもオフショアサクラマスジギングの特徴です。いわゆる腕の差が顕著に釣果に影響を及ぼす釣りということです。船中のアングラーが満遍なく釣れることはまずありません。ゲーム性が高くテクニカル、腕の差が釣果に反映することからオフショアサクラマスジギングの面白さが際立っているのです。
6.食べておいしい
そして、サクラマスは食べてもとてもおいしい魚です。ピンク色の身は軟らかく瑞々しいものでお刺し身やルイベにして食べるととてもおいしいものです。定番の塩焼き、フライ、ちゃんちゃん焼きなども程よく脂が乗っていてとても美味です。味噌、バター、オリーブオイルなどとも相性がいいので、どんな料理にも使いやすいのがサクラマスのいいところです。
なかでもサクラマスの燻製は作る手間があっても、その手間を掛けるだけのおいしさが味わえます。おいしいパンにスライスした燻製を挟んでアボカド、レタス、タマネギのスライスなどとサンドしたサンドイッチはアングラーにしか食べられない贅沢な逸品となる事請け合いです。
なお、サクラマスにはアニサキス、サナダムシなどの寄生虫も多いので、生食は基本的にお勧めできません。冷凍処理するか、加熱して調理することをお勧めします。
ぜひ一度挑戦を!
色んな面からオフショアサクラマスジギングの楽しさを検証しました。私的には、オフショアサクラマスジギングの楽しさは一筋縄ではいかない難しさにあると思います。いつでも釣れる釣れないの境界線上に自分の立ち位置があり、神経を張り詰めて挑まなければ手中にできない好敵手がサクラマスです。この緊張感に包まれて釣りをできることのワクワク感は他のどの釣りでも味わうことのできないものです。
経験値の積み重ねが顕著に釣果になって現れるのもサクラマスジギングの面白さです。簡単には釣れないことがゲーム性の高さに繋がって、経験を重ねることで向上していく自分を感じられるのがサクラマスジギングの面白い所です。かと言って、決してハードルの高い釣りではありませんので、多くのアングラーにこの面白さを体感して欲しいと思います。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>