今週のヘラブナ推薦釣り場【埼玉県・市野川】

今週のヘラブナ推薦釣り場【埼玉県・市野川】

そろそろ平場が乗っ込み期を迎える。しかしタイミングを外せばオデコにもなりかねない。釣況が安定しているほうがいいならば、埼玉県東松山市と吉見町の境を流れる市野川はどうだろうか。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

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ヘラブナ釣り 淡水の釣り

市野川概況

市野川は埼玉県を流れる一級河川で荒川水系の支流。総延長は約38km。ヘラ釣りが盛んなのはおもに駐車スペースとの関係が大きく、今回紹介する慈雲寺橋上下流はその典型。

流れ川なので乗っ込みとはほぼ無縁でありながらも、魚影はかなり濃い。慈雲寺橋周辺なら水深が浅いので、ヒットした瞬間の引きは強烈そのもの。ドボン釣りで豪快な食い上げや消し込みを楽しんでみよう。

今週のヘラブナ推薦釣り場【埼玉県・市野川】釣り場概況(作図:週刊へらニュース伊藤さとし)

釣期はおもに晩春~初冬を除く期間で、高水温期は小ゴイやマブナなどのジャミが多く、ほぼ釣りにならない。今後、水温上昇とともにジャミアタリも出てくると予想されるが、4月中旬までは楽しめるはずだ。

ポイント

駐車スペースからポイントまでの歩く距離を考えたら、慈雲寺橋の上下流は条件が整っている。土手は整地されてはいるが、ほぼ野地のままなので車高が低い車などは要注意。

水際は斜めで、地面には土手の崩壊を防ぐためのジャカゴが張り巡らされている。これが非常に滑りやすいので、滑落には十分注意。不安なら車のホイールにロープを縛り、それを伝って上り下りすると安心感が増す。

上流から見ると、慈雲寺橋上下流は右へ緩やかにカーブしている。一部を除き、釣り座はすべて左岸(カーブのアウト側)。外側ほど流れが速いのが一般的なので、長竿ほど流れが緩やかになり水深も手前よりも浅くなるのが一般的。

今週のヘラブナ推薦釣り場【埼玉県・市野川】川の中央に旧土手の跡が残る(提供:週刊へらニュース伊藤さとし)

橋の上から覗き込むと分かりやすいが、川の中央部付近に旧川幅だった護岸の跡がある。杭などが残っていて、そこに魚が着いている。18尺竿前後がそのラインなので、まずはそこを狙ってみてアタリがないなら手前の深いほうを狙うか、さらに長竿で沖を狙う。ただし杭よりも沖に打つと根掛かりしやすかったり、魚が掛かった時に巻かれてしまうこともあるので注意したい。

釣り方とエサ

流れ川なので釣り方はドボンがメイン。一部の例外を除き、水深は60~80cm前後。透明度が高い時ほど食いが悪く、濁ると食いが立ちやすい。

午前中からアタることもあるが、多くは午後から活性が上がって、夕マヅメにかけてクライマックスを迎える。エサは両グルテンが一般的。

竿

川の地形にもよるが、18尺前後が一般的。15~21尺竿までを用意しておけば十分だ。

ライン

川育ちの魚は引きが強い。と言ってもハリス0.8号もあれば十分に止められるので、それに見合った道糸の号数を選ぶ。細いほど流れの抵抗を受けにくいが、細過ぎも怖い。道糸1.5号前後が一般的か。

ハリ

魚の食いが立ってくると落ち込みでも反応するので、ハリスの長さも含めて軽めのハリ(リグルなど)で狙ってみるのも面白い。通常時ならバラサやプロストなど、軸がしっかりしたハリを使う。号数は8号前後で十分だろう。

ハリスの長さ

ドボン釣りでもっとも気になる点がハリス長ではないだろうか。一般論として、食いがよければハリスは長め(落ち込みも狙える)で、渋ければ短め(20~30cm)。

オモリ

ドボンは底の状態で使い分けるのが通例だが、底質を選ばず対応幅が広いのが外通し。逆に軟質底には不向きなのが中通し。

慈雲寺橋周辺の底質は硬質なので中通しでも対応可能。中通しのメリットとしては仕掛けの絡みが少なく、板オモリ式ならオモリ量の調整が容易だ。

なおオモリ負荷は流速で可変させるのが理想。同川の通常時であれば0.8号で十分に止められるが、雨後などは1号でも止まらないことがあるので、最低でも3号までは準備したい。

ウキ

雨後の流れが速い時を除けば、カンザシウキなど特殊なウキは必要ない。中または太パイプトップで、それなりの浮力があれば水面上にトップを出せるだろう。

道糸の角度

ドボンの基本原理として重いオモリ+軽いウキほどオモリからウキ間が斜めになりやすく、オモリとウキのバランスが同じほど垂直に近づく。つまり前者ほどウキ下が長くなり、後者は短い。時としてこの角度が釣況を左右することもあるので、ウキが動かない時はそれまでと正反対の対応をしてみる。

エサ

アルファ21、凄グル、わたグルなど持ちがいいエサを軸にして、さらに1種類で特徴をつける。集魚性をアップしたいなら野釣りグルテンダントツやいもグルテン、開かせるならグルテン四季や新べらグルテン底など。また、さほど待たなくてもアタリが出るならグルテン四季単品でもいい。

バラケは不要と前述したが、常連のなかにはセットで好釣果を上げている人もいる。小ゴイやマブナなどのジャミが増える前(4月中旬)までなら、セット釣りでも面白いかもしれない。またグルダンゴも可能性は大いにある。

<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
市野川
入釣料無料。釣り台必携。
この記事は『週刊へらニュース』2021年4月2日号に掲載された記事を再編集したものになります。