駿河湾のシラス漁が解禁 出口の見えない「不漁」の原因は黒潮大蛇行?

駿河湾のシラス漁が解禁 出口の見えない「不漁」の原因は黒潮大蛇行?

静岡の春を彩る海の幸・シラス。今年も漁がスタートしましたが、現状は芳しくありません。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

駿河湾でシラス漁解禁も・・

静岡の大事な春の幸のひとつ、シラス。寿司ネタや酒の肴として人気が高く、とくに高鮮度の生シラスは高い評価を受けています。

駿河湾のシラス漁が解禁 出口の見えない「不漁」の原因は黒潮大蛇行?山盛りのシラス丼(提供:PhotoAC)

静岡県内のシラス漁は毎年3月21日に解禁されるのですが、今年は悪天候もあり、富士市の田子の浦では3月23日に今期始めてのシラス漁が出漁しました。

しかし残念ながら初日の水揚げ量は振るわず、約10kgと、やはり記録的不漁と言われた去年をも大幅に下回る結果になりました。駿河湾ではシラス料理が観光名物になっているところもあり、コロナと合わせてその影響は小さくないと思われます。

駿河湾のシラス漁は来年1月まで続くため、仲買人は漁獲量の回復を祈っているそうです。(『初日の水揚げ漁はわずか…田子の浦でシラス漁スタート 回復は?』テレビ静岡 2021.3.23)

不漁続く駿河湾のシラス

イワシ類の仔魚の総称であるシラス。静岡県内の漁期は3月21日から翌年1月14日までと長いのですが、マイワシの稚魚中心の春漁と、カタクチイワシの稚魚が増える秋漁の年2回が盛期となります。

駿河湾のシラス漁が解禁 出口の見えない「不漁」の原因は黒潮大蛇行?シラス漁船(提供:PhotoAC)

駿河湾はシラスの全国屈指の産地として知られているのですが、しかし実は2017年以降、その漁獲高は減少を続けています。

県内シラス水揚げ主要6港の2020年度の総漁獲量は、これまた記録的不漁だった前年同期を30%以上も下回っています。これは、過去5年平均である3236.2tの半分にも満ちません。

不漁の原因は黒潮大蛇行?

静岡におけるシラス不漁の原因は、現時点でははっきりとは分かっていません。ただ地元では、2017年より続く「黒潮大蛇行」に原因を求める声が多く上がっているようです。

シラスの群れは黒潮に乗って北上するため、黒潮が蛇行してその流れが日本沿岸から離れると、群れが沿岸に寄りにくくなり不漁になると言われているのです。

黒潮大蛇行発生時も、枝分かれした暖流が静岡県の東側を北上する形になるときはシラスが比較的捕れる傾向にあるのですが、現在は三重県のはるか沖を流れている状態だといいます。

駿河湾のシラス漁が解禁 出口の見えない「不漁」の原因は黒潮大蛇行?魚にとってもごちそうの生シラス(提供:PhotoAC)

シラスは漁業資源として大事であるのみならず、あらゆる魚の餌となる、海の生態系において必要不可欠な存在。そのためシラスの不漁は、より大型の魚たちの不漁にもつながる恐れがあります。現に同様にシラスの不漁に苦しむ相模湾では、大型回遊魚の漁獲減少も指摘されています。黒潮大蛇行の状況も合わせ、漁の状況を注意深く観測していく必要があるでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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