ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】

ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】

今月のテーマは「初夏の西湖を楽しもう」。山梨県富士河口湖町にある海抜900mの西湖は、今まさに好期。これから夏に向って両ダンゴの底釣りや深宙で、良型の強引を楽しめる。クリアレイク特有の難しさもあるが、ポイントと釣り方が決まれば40~50kgの釣果も珍しくない。今回は北岸にある舟宿・丸美から出舟し実釣記を交えながら、同湖の楽しさを伝えてもらおう。今回は前回からの続きでクワルビでの実釣編。

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

西湖・クワルビ概要

ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】引き舟でクワルビへ

5月17日(木)、5時に貸しボート民宿・丸美から出舟。
大ジラで9時30分までに40枚をカウントしクワルビに移動。

溶岩帯の釣りもいいですが、この時期はやはり浜(藻がある場所)が捨てがたいですから。」

大ジラで時間10枚以上のペースで絞っていたのになぜ?と思われるだろうが、藻場の釣りなら更なる爆釣が期待できるからだ。

「藻があればそこはハタキ場になりますし、魚が身を隠すにも最適な場所です。
接岸傾向の有無を問わず、藻がある場所には常に魚が居ると考えてまず間違いないでしょう。ただしクワルビの場合は当日のような西風が吹くと、左右の流れが強く発生して中・外通し仕掛けでないと釣りづらい。ですので大ジラへ向かったわけですが、この程度の風ならバランス仕掛けでも釣りが可能でしょう。」

ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】

クワルビロープと言えば丸美の出舟場所からは目と鼻の先。

戸張が着舟したのは係留場から湖を見て30㍍ほど右の振れ止めロープの横。

そこに沖向きで舟を着け21尺竿を振ると竿いっぱいで底が取れた。

ただしあくまで底が取れただけで、釣れるタナではない。

ここから藻の状態を見ながら微調整する。

当日のタックルとエサ

ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】タックル図。

エサは両ダンゴ。
移動前のブレンドでもよかったが、ここはあえて比重を少しだけ軽くする目的で配合を変える。

「移動前はダンゴの底釣り夏、同冬、ペレ底が各60㏄で水は120㏄でしたが、分量は変えずにペレ底をグルバラに差し替えました。
ペレ底に比べて比重が軽くネバリがでます。」

軽くする意図は?

「藻の中にエサができるだけ潜り込まないようにするためです。
場合によっては底釣りエサではなく、深宙狙いのようなブレンドがいい場合がありますね。今のところはまださほど藻が伸びていないでしょうから、底釣り用のブレンドを少し軽くするだけで効果は期待できるはずです。」

タナ取りゴムを使い大まかに底立てをし、その後はエサでタナを調整する。

ナジミ幅が浅ければウキ下をやや浅くしたり、戻りにくい時はエサが藻に絡んでいると判断してタナを浅くするなどさまざまだ。

「要は触りがでてアタって乗るタナを見つければいいだけのことです。
底釣りだからと言って上バリのズラシ幅はこだわる必要はないでしょう。
なぜならフラットな底ではないわけですし、まして藻が生えていれば数値によるズラシ幅など意味をなしません。」

怒涛の入れパク!

ヘラブナ釣り上達への道しるべ【初夏の西湖を楽しもう②】黒光りした良型

場所の移動と着舟、準備などでエサ打ち再開は10時40分を過ぎてしまったが、打ち始めると数投でアタリがでて以降は入れパクになってしまった。

1時間目が22枚で2時間目は31枚、そしてラスト1時間が33枚と時間30枚前後のハイペース。

13時半過ぎに納竿したのは、戸張の腕の疲労がピークに達したためだ。

風はなかったが流れは残っており、再開当初は左から右への流れ(朝から吹いていた風向きとは逆)が強く釣りづらかったが、徐々に弱くなると一気にカウントが伸びた。

藻場のポテンシャルをまざまざと見せつけられた。

クリアな水質と、そこから上がってくる黒光りした魚体。
これこそが西湖の魅力ですね。とくにクワルビロープなら舟宿からは至近で舟着けが容易です。西湖初心者の方でも簡単に楽しい釣りができるでしょう。

次号からは初夏の西湖を楽しむためのテクニック編をお届けします。

【初夏の西湖を楽しもう①】から読む

<戸張 誠/TSURINEWS編>

▼この釣船について
貸しボート民宿・丸美
この記事は『週刊へらニュース』2018年6月8日号に掲載された記事を再編集したものになります。