どんな釣りでもそうだが、LTアジでも「その日、その時間」の魚の活性の違いがある。それらの活性ごとに有効なコマセの振り方を考察したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古谷健太)
超低活性時
何をしてもダメ、周りの船からも良い情報が回ってこないのかポイント移動もしないが、思い出したかのようにたまにアジが上がるといった雰囲気の時である。何度も釣行を重ねると、こういう日に出くわすことも多々ある。
上述したような全ての作戦を実行したところで何の成果も得られない、今日はもうダメだ、というような状況を打破する方法を考えたい。
何よりもまず1匹を目指すこととなる。その1匹が積み重なれば最終的にはそれなりの釣果となるからだ。
アジの活性が低いとはいえ、少なくとも船はアジの群れの上にいる。しかし、大量にいるはずのアジが捕食行動に出ない時の原因は、(1)潮流れが悪い、(2)水温や濁りが適していない、(3)警戒している、といったことが重畳的に発生していることが考えられる。
まず、潮流れが悪ければ勢いよくコマセを撒いても仕掛けはダラッと海底に向かって垂れており、コマセとの同調は望めない。水温や濁りが原因であれば、いくら誘いをかけてもアジは寄ってこない。
仕掛けを警戒しているということであれば、頻繁な誘いやコマセ振りは逆にアジの警戒心を高めることとなる。では、どうするか。
そういった場合は意外と「何もしない」ことで活路が開けることがある。ビシにはコマセを緩めに詰め、海底から1mもしくは2mくらいのところで1回だけ緩くコマセを振る。その後は「置き竿」で待つという方法である。
もちろんいつまでも置き竿でずっと放置するわけではなく、イメージとしては、船の揺れでビシに残ったコマセがポロポロと自然にこぼれ、海底付近にある仕掛けと同調する感じである。
船の揺れでハリは自然と揺れ、ふわふわとした誘いの効果も期待でき、道具から離れたところでコマセの効果を発揮できるのでアジの警戒心を高めることも少ない。
どれくらいの置き竿でコマセが無くなるかをちゃんとチェックして、いつまでも放置せずに適宜コマセを入れ直すことが重要である。
ちなみに、置き竿で待つ時には付けエサはイソメをお勧めする。エサ自体の誘い効果がアカタンよりも高いので、ふわふわとした置き竿誘いには最適である。
基本を大切にしよう
今回は、アジの活性別にコマセの振り方を考えてみたが、超低活性の時などは船長もポイント移動を繰り返すと思うので、あまり使う機会は無いかもしれない。
やはり基本を大切に、コマセをしっかりと撒き、アジの活性にスイッチを入れることを重視して頂きたい。
<古谷健太/TSURINEWS・WEBライター>