冬は底釣りが面白い。さらに長竿不要とくれば、初心者でもラクチン。ならば静岡県伊豆市にある早霧湖がベストマッチだ。今期はエン堤工事による減水中で、水深はどこでも3m前後と浅く、魚影は言うまでもなく濃い。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 熊谷充)
早霧湖のヘラ釣り場
エン堤の耐震工事が2月末まで行われるため、同時期まで早霧湖の水位は約3m減が維持される。工事完了後は水位を徐じょに戻して、約半月で平常満水まで回復する予定。
減水の影響で、同湖の風景は例年とは一変。「あんな所にオダが沈んでいたのか」など、舟釣りをする際の参考になることも多いので、とくに舟釣りファンは今こそポイント攻略の下調べができるチャンスだろう。
近年の同湖は舟で狙う人が減り、手軽に竿を出せる桟橋に人気が集中している。そのため魚が桟橋周辺に居着く傾向がある。さらには水位減による魚の密度が増したことも加わり、厳寒期であっても真冬らしからぬ魚影の濃さと活性を誇る。他の釣り場では考えられない両ダンゴの宙でも昨年末まで釣れていたほどなので、年が明けても気温と日並み次第では晩秋のような釣りが可能かもしれない。
水位減により長竿不要で底釣りが可能なので、底釣りファンのみならず底釣り初心者にとっては今が絶好のチャンスだ。
ヘラブナのポイント
次にヘラ釣りのポイントを紹介しよう。
桟橋
工事中は騒音が発生するので、岸向きよりも本湖向きに人気が集中する。水位は本湖向きで竿10~12尺竿、岸向きは9~11尺竿で底に届く。
桟橋の先端付近を新桟橋に架け替えてあるので、その付近の人気が高い。さらに沖に点在する鉄ピン付近を長竿で狙うと、新ベラがヒットしやすいとの情報もある。現に取材日当日にも、同様の狙い方で良型が上がっていた。
早霧荘の高梨オーナーは「本湖向きならポイント差なく、どこもまんべんなく釣れる」と話していた。たしかにポイント差は少ないように感じるがエサ打ち頻度の関係で、先端付近(新桟橋)のほうがアタリ出しが早いような気はする。
もし桟橋先端の本湖向きが空いているなら、迷わず入釣したほうがよさそうだ。
舟
最近は入釣者は少なく、情報があまりない。ただしモジリはひん繁に見られるので、狙ってみる価値は十分ある。また桟橋が混雑した時は、人災を避けて舟釣りにシフトしたほうが好釣果を得られやすいかもしれない。
3m減水なので別図の水位表示を確認しつつ、出来るだけ水深が深いロープに入釣するのが無難だろう。とくにBロープの水深19~21尺表示のラインは、朝にモジリが多発していたので狙いめかもしれない。
底釣りが有望
ここではおもに桟橋の釣りに的を絞って解説する。水深がどこも3m前後と浅いので、釣り方は底釣りが有望だ。
エサは日並みで高活性順に両ダンゴ→グルダンゴ→グルテンセット(両グルを含む)→段差の底釣りとなるのが一般的。最後の段差の底釣りは、よほどのことがないかぎり選択肢に入らないが、超低活性時もまれにあるので、準備だけはしておいたほうがいい。
食い渋り時の攻略法
仮に桟橋が混雑して人災による食い渋りが発生しそうなら、竿を長くして沖め狙いにシフトする。竿いっぱいの底釣りのほうが何をするにも操作は容易だが、横一線で同じ釣り方が並んでは魚の奪い合いになってしまう。
早朝のほんの一時さえしのげば逆光にはならないので、仮に沖にウキが立っても見えづらさはあまり感じないだろう。沖打ちの底釣りで気をつけたいのが、底の状態とトップの戻りだ。普段からエサ打ちされていないラインにエサを置くことになるので、底の状態がよくない可能性もある。根掛かりは論外だし、枯葉や小さなゴミなどもできればないほうがいい。
その状態の良し悪しは、ハリに付いてくる残存物やトップの戻り、ナジミ幅の変化などで判断するしかない。少しでも気になる要素があるなら、竿の長さや釣り座をかえて底の状態がいいポイントを探したい。
底の悪いポイントでいくらタナ調整したりエサをいじったところで、焼け石に水。であれば無理に長竿を出さず、普段からエサ打ちされている短竿ラインのほうが、かえってマシということになる。
<週刊へらニュース 熊谷充/TSURINEWS編>
早霧湖
料金:桟橋¥2600、舟¥3000
問い合わせ:早霧荘・・・TEL0558(72)0912
注意:2021年2月末までエン堤工事のため3m減水