メバリングをしていると、ちょくちょくある「ライズ」。魚が水面で何かを捕食している連続した音だ。メバルには明確な2つのライズパターンがある。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
メバルが「ライズ」をする意味
メバルなどの魚が比較的高活性なとき、水面でぱしゃぱしゃと音がすることがある。何かを捕食している音だ。これが連続して続くことを「ライズ」と言う。
ライズは食いが立っているサインと見ることができるだろう。メバルはそれでなくても表層を意識している魚だが、ライズしているときには、明確に表層で食い気マンマンだ。
水面でのライズやボイル(青物などの盛んな水面での捕食)は、水面が魚にとってはひとつの「壁」で、そこにベイトフィッシュを追い詰めることで逃げ場を封じ、捕食しているという状況である。
アジやメバルといった魚はライズ音が小さく、一定の時間をおいて起こったりするのが特徴的だ。シーバスがベイトフィッシュを追い掛け回して水面を割るときには、バシャバシャと大きな音が鳴る。ちなみにボンというような鈍い音は、大体ボラのジャンプなどだ。
さて、メバルのライズパターンには次に挙げる2つのものがある。
1. ベイトフィッシュパターン
メバルが水面まで追いかけているものがベイトフィッシュのときには、シーバスと同様にバシャバシャと大きく口を開けて水面を割り、水しぶきが立つような音がする。シーバスとは音の大きさが違い、メバルのベイトフィッシュパターンのライズ音は小さい。またシーバスは基本的にメバルのシーズンには活性が低いので、そもそもあまり水面に出てこない。
つまり冬季の海、夜の波止でバシャバシャという音がしたら、それはほとんどメバルのライズだ。ほとんど、というのはアジの可能性もある。これは聞き分けられないが、ライズ音に対する釣り方は同じだ。
攻略手段
ベイトフィッシュを意識している魚を釣るので、こちらのリグでもベイトフィッシュをイミテートする。少し重めのジグヘッドをつけて、水面をファストリトリーブすると食ってくることが多い。魚の顔のジグヘッドも有効かもしれない。
2. プランクトンパターン
ぱしゃ、ぱしゃ、と小さなライズ音。口の開け方が小さそうな、水面に少し波紋が起こるくらいのライズは、プランクトンパターンである。これもアジとは見分けられにくいが、アジの場合は、なんだか「ぱちゃぱちゃ」と半濁音みたいな音がする気がする。
プランクトンパターンの釣りはワームの「止め」だ。軽量リグを放って、レンジキープしているだけで反応する。プランクトンを模したアミカラーなども有効かもしれない。
ただ表層にワームを止めるのは、距離によっては難しい。たとえば20m先のライズ音は、追いかけない方がいいだろう。遠距離に投げて表層にワームを止めるのは、至難の業である。といって、基本的にメバルはオープンウォーターにいてもわりあい岸側に付くので、そんな大遠投が必要となる状況は考えにくいし、遠方のライズ音はアジである可能性が多い。
攻略手段
プランクトンパターンのライズには、プラグも有効である。フローティングのプラグを投入して、放置しておく。そして魚が意識しだしたかなというころあいからまだ1分くらい水面になじませておいて、「とろっ」とサオ先を少し動かしたときにバイトがくる。プラグをプランクトンの塊と思って口を使ってくるのだ。