【大阪湾2020】アジングが不調なワケ 40年に一度のハードモード到来?

【大阪湾2020】アジングが不調なワケ 40年に一度のハードモード到来?

2020シーズン、大阪湾のアジングは不調が続いている。アジング好きの筆者がその不調原因と対策法を考えてみた。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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大阪湾のアジングが不調

例年、9月のこの時期にはすでに始まっているアジングが、少なくとも今年の大阪湾近郊では非常に渋い。多少入ってはいるのだが、群れの密度が非常に薄く、私としては何か違和感を覚えている。どうやら今年は漁業でも「40年に一度のアジ不漁」と言われているそうだ。

その原因は、何なのだろうか。そしてアジングへの影響は…?

要因は「黒潮大蛇行」?

「黒潮大蛇行」とは、何年か前から聞く言葉だ。これが要因かもしれない。その名の通り、沖の黒潮が大蛇行する現象。黒潮は、世界の中でももっとも強い海流のひとつで、日本の太平洋沿岸を、南から北へと流れている。これが通常ルートでは、日本の沿岸付近をほぼ直線状に流れる「直進経路」となる。

そして、紀伊半島辺りで沖に流れ、そこから北上して関東周辺に戻る「蛇行流路」がある。すなわち「大蛇行」といえば、この蛇行経路がより大きくなるということだ。

大蛇行が長期化

黒潮大蛇行は、過去にもあった現象だが、今回の大蛇行は2016~17年頃からと非常に長期化している。一度大蛇行が起こると、紀伊半島側は沿岸の海水温が下がり、逆に関東側では海水温が上がる。これによって、生態系のバランスが崩れる可能性があると指摘されている。

【大阪湾2020】アジングが不調なワケ 40年に一度のハードモード到来?一見平穏な海で事件が…(提供:WEBライター・井上海生)

簡単にいえば、関西圏で温かい水と、関東圏で冷たい水が二分される。そしてアジは、極端に熱い水温を嫌う魚だ。人間の肌で1度と感じるものを、アジは4度程度と感じると、私はあるプロダクターが言っているのを聞いたことがある。

また、今年は激しい猛暑だった。アジの適水温である23~25度以上の水温になると、アジは接岸してこなくなるのかもしれない。それくらいになると、沖合でも食いがかなり渋るそうだ。

「ハードモード」の覚悟を

今、アジはあまりに高すぎる海水温を嫌って、回遊ルートをかえていると思われる。それでは、「いつも釣れていたポイント」が釣れなくなるのは当たり前かもしれない。最新の魚探のついた沖合の漁業が不漁なのだから、ショアで釣りにくくなるのは、仕方ない話か。

そこへ近年のアジング人気による人的プレッシャーである。ここ2、3年、アジングは人気の釣りとなった。黒潮大蛇行と、その影響が特に顕著であるらしい今年、アジングは「ハードモード」となりそうだ。

カギを握る「ポイント選定」

それでもこの時期からアジングを成立させたいなら、思い切って、いつも入ることはないポイントを探してみることをオススメする。定番の常夜灯打ちなどは、今年は難易度が高くなるだろう。理由としては回遊数減と人的プレッシャーのためだ。

オススメは闇ポイントだ。満月の時に月明かりだけが頼りとなるような場所で、潮通しが良い場所を見つければ、チャンスはあるだろう。ただ、そのような場所はイカの活性も高いが…。

リバーアジのススメ

そこでオススメしたいのが「リバーアジ」。河口に入るアジだ。一度入ってくると居付いてなかなか抜けないうえ、河口域でアジが釣れると知らない人が多い。狙い目である。

【大阪湾2020】アジングが不調なワケ 40年に一度のハードモード到来?海から1km以上も上流部で釣れた経験が(提供:WEBライター・井上海生)

この9月、ネットなどで大阪湾近郊のアジングの釣果報告を見ていると、「フロートで遠投して流れの中を釣る」という方法で多少の結果が出ている程度のようだ。私は複合リグが苦手でアジングはジグ単のみだが、フロートにも興味がある人は、挑戦してみてはいかがだろうか。

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