4月19日と20日、石川県七尾市から福井県・美浜町へとクロダイのフカセ釣りで転戦した。昨年、石川県行きが悪天候で流れてしまい、1年越しの石川県遠征となった。
初日は石川県七尾市へ
前日の午後4時ごろに名古屋を出発、下道でのんびり石川県を目指す。
現地のクロダイ事情はよく分からない。
ネットで検索しながら場所を選んでいると、七尾湾にある、主にカセ釣りを主体としている渡船店が磯渡しもやっているそうなので、そこに決めた。
七尾湾は奥まった場所で、太平洋側の三重県ではまさに今狙いめな感じの場所だが、石川県では少し早いかもしれない。
しかし魚影は濃いとのうわさもあり、最悪は居着きでもと期待した。
現地近くに午後11時前に到着。
そこで夜明けまで車中泊となった。
午前6時に渡船場へ向かうと、数人の釣り客がいたが全員カセ釣りで磯渡しは私だけ。
この日は濃霧だったため、安全を考慮して8時ごろの出船となった。
船長任せで上がったのは銭鼻という磯。
人気磯らしいが、魚探で水深を確認すると、手前で7m、すぐに14m、サオ4本ほどで19mにも落ち込んでいる急深な磯だった。
普段の磯は深くても5mほどの浅場しか選ばないので、こういう深い磯は正直好きではないが、船長のお勧めなので、なんとかクロダイの顔を見ようと開始した。
1時間ほどはオキアミも残ってくる感じで、極たまにフグが触る程度だったが、潮が左に流れだして状況が一変した。
流し込んでいくと、きれいにウキが吸い込まれる。
だが軽い。
上がってきたのは25cmほどのチンタ(クロダイの幼魚)。
これには正直がっかり。
水深があってこのサイズが釣れるということは、「ここはチビオスの越冬場ではないのか?」という推測ができるから。
案の定、そこから同サイズが釣れ続き、正午までに19匹。
ウキは気持ちよく入るが、これではどうしようもない。
経験上、このサイズの場合、サイズアップは30cm前半まで。
大型はまず狙えないことが多い。
午後1時にサオを片づけ、2時に迎えに来てもらい、この日は終了とした。
この日の感触から「乗っ込みを狙う」という観点で推測すると、恐らく場所が外れている。
2日目は小松市へ
20日は大きく移動して小松市の海岸へ向かった。
ここは外洋の水が直接当たる七尾湾とは真逆の条件。
どんな展開になるのか。
それもまた探索の楽しみだ。
午前5時、海岸に立つとまさかのウネリ。
ウキ釣りはちょっと無理だろうというほどの海況だったが、取りあえずサオを出してみた。
予想以上に潮も速く、あっという間に仕掛けが流れてしまう。
おまけに横風が強くなってウネリが増加。
午前11時まで様子を見たが、予報でもさらに悪化するとのことなので、仕方なく福井県まで下る決断をした。
向かった先は渚釣りで有名な佐田の海岸。
ここで午後1時半に再開した。
しばらく釣っていくが、延々とオキアミが残ってくる。
何もいない。
しかし福井県は乗っ込み真っ最中。
私の持論に「春はエサ取りなど関係ない」というのがあり、それを信じてクロダイの回遊を待った。
クロダイは元々回遊性が強く、特に産卵を意識している春はその傾向が強い。
夏のようにほとんど居着いていないので、結果は回遊次第だ。
全く気配がなかったが、北西風が止まった午後4時半ごろから急にフグがわきだした。
経験上、春は絶対的にベタナギが強い。
海が荒れ気味で良かった経験は少ない。
1投ごとにハリが取られて今までの状況がうそのようだが、クロダイの気配はない。
反応が得られないまま日が暮れようとした午後6時、突然ウキがスパッと消し込んだ。
小さいものの32cmのクロダイだ。
それを含めて3連発。
回遊すればこんなものだ。
その後追加はなく、水平線に日が沈んだのを合図にサオを畳んだ。
サイズは32~34cmと小さかったが、最後になんとか顔を見ることができてホッとした釣行となった。
今回、石川県は不発に終わったが、タイミングさえ合えばクロダイの魚影はお墨付きの地域だ。
夏になったらまた再挑戦してみたいと思う。
<週刊つりニュース中部版 APC・白村つとむ/TSURINEWS編>
カセ釣りの島田