夜の大物投げ釣りについてのノウハウを、魚種別のポイントの選び方、仕掛けやエサ、釣り方の順に解説する。ぜひとも夜の投げ釣りにチャレンジしていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 長谷川靖之)
夜の投げ釣りの仕掛け&エサ
夜の投げ釣りでは少ないアタリを確実にモノにすること、硬い投げザオで強引に魚を寄せてくること、手前のカケアガリなどの障害物を考慮することを総合的に勘案して、太くてシンプルな仕掛けが一般的である。
オモリは遊動式のL型テンビンに六角オモリの25~35号を、潮流や水深に応じて使い分ける。仕掛けは絡み防止用の砂ズリ(私はイシダイ用のワイヤー37番を40cm)の先に、ハリス8号もしくは10号を約1ヒロ取る、いわゆる吹き流し式の仕掛けである。ハリは最近、がまかつから発売されているユムシコウジというハリ先が鋭いものを愛用し、これを結ぶだけの簡単な1本バリ仕掛けだ。
エサは狙う魚種によって変わるが、クロダイ、スズキ、マダイにはイワムシやユムシを使うことが多い。特にエサ取りが多いこれからの時期、イワムシなどは投入後にあっという間にエサ取りにかすめ取られることもあるので、ユムシは欠かせない。
また三重県の引本湾などでマダイを狙うときは、ウタセエビやボケ、カメジャコを使うこともある。ただしこれらのエサはフルキャストすると身切れを起こしてしまうので、ふわっと優しくキャストするように気を付けよう。
夜の投げ釣りの釣り方
次に釣り方を解説する。
複数の竿を並べる
投げ釣りはまきエサをして魚を寄せる釣りではなく、底を回遊するであろう場所にエサの付いた仕掛けを置いてアタリを待つ釣りである。よってサオは1本ではなく複数本(3~4本)を並べて釣ることになる。
魚は手前のカケアガリを回遊することもあれば、沖のシモリ周りに沿って回遊することもあるので、複数のサオは投げる方向や距離を変えることがセオリーである。投入後しばらくアタリがなければ、少しサオをあおって仕掛けとエサを浮かせるなどして、魚にアピールすることも効果的だ。
ドラグは緩めておく
リールは投げ釣り専用の大型スピニングリールを使用するが、アタリを待つ間ドラグを緩めることで、魚がエサをくわえて走ったときにサオ先の違和感を吸収してくれる。このときドラグから独特のジ~~~~ッという音が鳴り響く。この瞬間が夜の投げ釣りの最大のだいご味で、体内のアドレナリンが一気に噴出し、眠気が吹っ飛ぶ。
魚が掛かった後は遊ばせることなく一気に巻き上げることが重要。特にコロダイやハマフエフキなどは、相手に主導権を奪われるとシモリや根に走られてしまい、バラシの原因となる。魚が手前に寄ってきて浮かせた後は、慎重を期してタモ網を使って確実にランディングすることだ。