船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】

待ちに待った日本海方面の船キス釣行で、54尾しとめて竿頭へ。今季はシーズン序盤から大型と小型が入れ交じる釣れ具合。サイズの釣り分け術と併せてレポート。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

tsurinews編集部関西

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目次

若狭本郷のキス

小浜湾の西側に位置する若狭本郷では古くから船釣りのキス釣りが盛んで、実績のあるフィールドだ。古くは初心者でも3ケタ釣果が出るなど、「誰にでも簡単に釣れるのがキス」と言うイメージだったそうだ。どこの釣り場でもそうだが、古き良き時代の話なのだが、現在も多い人で70尾近くの釣果が出る日もあるなど、やはりキスの魚影が濃いエリアだ。

キス釣りフィールド

6月下旬、若狭本郷から出船するはやし渡船に乗船してのキス釣りに出かけたのだが、船長によると、周辺のキス釣りフィールドは水深5、6mの超浅場と30m超の深場までバラエティーに富んでいて、その時々でよく釣れているエリアへ向かうそうだ。

釣行した数週間前から、浅場でのキスが熱くなってきて、浅い分、アタリも引きも激しくて面白いとのことで、当日も水深7m付近からのスタート。

今季のキスの特徴

若狭本郷の今季の釣れ方は、アタリがあるのにハリに掛からないキスも多いと言う。釣り方次第でかなり釣果に差が出ると言い、特に潮具合で食いが良ければ釣りそのものは簡単、逆に食いが渋い日に当たれば、かなり苦労することもあるそうだ。

サイズとしては同じエリアを流していても13、14cmの小型から25cmを超す大型キスまでが入れ交じっており、とにかくキスをたくさん掛けることで大型も交じる…と言った感じだ。

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】良型がダブルヒットも(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

当日の状況

当日は終始、浅場での釣りで、途中、水深15mほどのエリアも攻めたが、食いはあまり良くなかった。出船時は風も吹き、潮も流れていたが小型キスのアタリが多く、それを掛けていくと数は稼げるが大型が少ない。あまり誘わずに静かに釣っている人には、数が少なく良型がヒットしていた。

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】同行の兵頭さんが良型キス(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

潮が止まると風もなくなり、今度はチョイ投げで引きずって徐々に数を伸ばしていった。後半は風も出てきて、アタリは増え、良型キスの交じる確率も高くなり、強烈な引きを味わうことができた。結果的には船中4人で140尾、筆者は54尾を釣って竿頭をいただいた。

当日の釣りを考察する

当日の釣りの中で、試行錯誤をしながら時には掛かりにくい小型キスを掛け、時には良型狙いの釣りに徹して数釣りのペースこそ落としながらも23、24cmの良型を連発することができた。そこで、当日の釣りからボートキス釣りのポイントを紹介してみたい。

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】当日の仕掛け(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

小型でもヒット率を上げる

船が流れるのでそのままジッと竿を固定して持っていても必然的に仕掛けが船任せで流れる。その釣り方だと、キスのアタリが出るタイミングが分からず、いきなりブルルッとアタリが出ると、びっくりしてアワセが遅れてしまう。そこで、きっちりと食わせるタイミングとエサをアピールするタイミングを分けて釣ることを優先したい。

小刻みなストップ&ゴー

釣り方の基本としては、竿先と道糸の角度が90度くらいになるように、竿先を少し後方へ持っていく状態で構えて、船の流れに合わせるように、穂先で少し(15cmほど)送っては、引き戻すのを繰り返す。仕掛けの動きとしては穂先を引き戻す時に早めにエサが動き、穂先で送っていく時にはエサが止まる。

止めた瞬間のアタリを感じる

実はこの止めた時に小さなアタリが出ていて、次に引きずりかけた瞬間に明確な掛かったアタリが出る。慣れてくると止めた瞬間の、前アタリのようなものを感じ取れ、次に引きずるのではなく軽く竿を立ててアワセに入ることができる。

この釣りは仕掛けをステイさせる時間が短く、引きずった時のエサの動きも速い。当日はその釣りでは小型キスの数を稼ぐことができた。おろらく、仕掛けを止めた瞬間にキスが食いついてくるのだが、船任せに引きずっているだけでは、キスが小さいのでハリ掛かりするほど食い込んでくれなかったと思われる。

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】うまく止めればヒット率UP(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

掛けるなら小バリで

この釣りで重要なのがハリだ。小型のキスに素早くエサ付きのハリを吸い込んで貰おうと思えば、小バリで、かつ、軽量な細軸タイプのハリが適している。当日は瞬速キス5号が合っていたようだった。

また、別の考え方として奏功したのが、袖バリ型の小バリのハリ先をやや外に広げて使った状態。この時の狙い目は吸い込まれたハリを吐き出す時に、ハリ先が広がっている分、口腔内に掛かると言うイメージだ。これもかなり良く、小型キスがハリを飲んで上がってくることも多々あった。

スローな釣りで良型に焦点

この日、釣っている途中でふと気付いたのだが、良型キスはエサを食いにくるのがかなり遅い…ということだ。そこで試しに良型キスに狙いを絞っての釣りを展開してみた。

その釣り方は、超スローな釣りである。スローというのは引きずる速度がスローなのではなく、仕掛けをステイさせる時間を長く取ると言う意味だ。船が速く流されている状況ではやややり辛いが、ベイルを起こして糸の出をフリーにし、指でスプールを押さえながら糸の出を調整しながら仕掛けを、やや長い時間止めることに集中する。

止める時間を長くとる

引きずるのは、1回につき15cm程度で、止めるのは5~10秒と長めだ。その間には小型キスのアタリが出るのだがそこで、掛けにいかないのがコツ。エサが取られることも、小型キスが掛かってしまうこともあるが、それは仕方がない。しっかりと少しの誘いの後、止めることができれば、止めている前アタリが伝わってくる。

船シロギス釣りで本命54尾 サイズ釣り分け術とは?【福井・若狭本郷】アドバイスをしたらすぐに(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

前アタリを感じよう

前アタリのパターンとしては、トンと何かが仕掛けを叩いたような反応であったり、モヤッと穂先を通して違和感を感じる。ここで仕掛けを動かすと良型キスは食ってくれない。反応を感じたら糸を出してでも仕掛けをさらに止めてみる。

すると、今度はさらに重々しいゴツッと言うアタリが出て、すかさずアワせると強烈な引きが襲ってくる。このパターンで釣れたのはほとんどが20cm以上の良型キス。良型の潜むポイントに差し掛かったら(船中で誰かが良型キスを釣り上げたら)すかさず、スローな釣りを展開することでサイズを釣り分けることに成功した。

どんな釣り場でも通用するかどうかは分からないが、キス釣りの引き出しの一つとして覚えておいて損はないだろう。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

▼この釣り船について
はやし渡船
出船場所:福井県おおい町長井