オンラインゴミ拾いが話題となっ、海洋プラスチックゴミ問題に取り組む学生団体「PureSeaWater(PSW)」。具体的な活動について、メンバーの八鍬さんに取材を行った。
(アイキャッチ画像提供:PSW八鍬亨規)
海洋プラスチック問題に取り組む
「Pure Sea Water(以下、PSW)」として活動するようになったのは、サークルの活動で※SDGs(エスディージーズ)について勉強したことがきっかけでした。特にSDGsでは「海の豊かさを守ろう」というのが目標の1つとして掲げられていて、釣り好きのメンバーも多かったり、ゴミ拾いの活動も行っていたことから、SDGsの目標に取り組んでいこうと思いました。
※SDGs(エスディージーズ)とは?
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標のこと。(引用:SDGs総研)
もちろん、その広大さから無限大の可能性を感じる「海」がそもそも好きだったということもあります。ゴミ拾いをするうえで僕たちはただ拾うことにしか意識を向けていませんでしたが、陸にあるゴミは川や海に流れ、実際に魚がマイクロプラスチックを飲み込んで死んでしまったり、ストローが刺さっているウミガメがいることを知りました。
この現状を他人事としてはいけない、と感じました。このままゴミが増え続けると、海には魚よりゴミのほうが増えてしまうという事実を多くの人に知ってもらいたいですし、一緒に活動していきたいと思っています。
PSWの活動内容と目標
PSWの具体的な活動内容としては、Twitter上で呼びかけを行い、ゴミ拾いやSDGsについての勉強会を開いたりしています。
また、メンバーで集まって釣りに行くのもPSWの活動の1つです。
短期的にはより多くの人に参加してもらったり、月ごとに拾うプラスチックごみの個数を設定してクリアを目指しています。世界には海洋1㎢あたりに平均13000 個のプラスチックごみがあると言われています。中長期的には、その東京湾の広さ分のプラスチックごみを回収すること目標にしています。
6月24日現在では、多くの人に参加していただき47,296個のプラゴミを拾うことができました。これは海の広さでいうと、3.63㎢分にあたるプラゴミに相当します。
「オンラインゴミ拾い」を思いついた経緯
今年は新型コロナウイルスの影響で、メンバーが集まってゴミ拾いを行うことができませんでした。そこで思いついたのが「オンラインゴミ拾い」です。そんな状況下でも、自分たちにできることは無いかと考えました。
初めはメンバー達が家の周りでゴミを拾い、何個拾ったのかを報告し合いました。ただ、「一人で拾うよりも皆で拾ったほうが楽しい」という声が上がり、電話で話しながら拾ってみようということで始めてみました。Twitterに活動の様子を投稿すると、一緒に拾いたいという人もたくさん出てくるようになりました。
身近な人から認知され始めた
活動を通じて、日本全国の方とも仲良くなり、コミュニティが大きく広がったことを実感しています。
たまに近所のおじいさんやおばあさんが声をかけてくれることもあります。特に印象的だったのは「お兄ちゃん頑張ってるから、これでジュースでも飲みな!」と300円を頂いたことです。励ましの声を頂けると嬉しいですし、これからも続けていきたいなと思えます。
ゴミ拾いに「ゲーム要素」を
また、より楽しくゴミ拾いができるように、ゲーム要素も取り入れています。
2人1チームになってプラスチックのゴミをカウントしながら拾い、10分間で合計何個拾えたのかを競うゲームです。チームで通話しながらゴミを拾うので、終始飽きずに楽しめます。
「プラスチックは1点」といったように、ポイントが決まっていますが、中には10点分の得点が入るレアなゴミもあります。普段はあまり落ちていないもの、例えばストローやキーホルダーなどがこれに当たります。ゴミごとにポイントを設定することで、よりゲーム性が増して、楽しくゴミ拾いをすることができるようになりました。