釣りエサ界の代表格『ゴカイ』の生態 人命救助の現場で活用される?

釣りエサ界の代表格『ゴカイ』の生態 人命救助の現場で活用される?

釣りエサと言えば「ゴカイ」が有名ですが、彼らが一体どのような生き物なのかは意外と知られていません。ちょっと変わったゴカイの生態に迫ります。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

ゴカイって?

ゴカイは魚釣りのエサに利用される生き物の一種で「環形動物門・多毛綱」に属する動物です。

誰しも必ず見たことがある「ミミズ」もこの環形動物であり、イソメの仲間は世界中の海の干潟や磯、砂浜、深海に生息しています。

日本では地域によって「イシゴカイ」や「ジャリメ」「バチ」と呼ばれることもあります。

世界中に生息しているイソメの仲間は非常に種類が多く、既知のされているだけでも約8000種以上おり、まだまだ新種も数えられない程いると考えられています。

日本に生息しているゴカイも最近の研究で複数の種類の複合体だったことが明らかになり、「ヤマトカワゴカイ」「ヒメヤマトカワゴカイ」「アリアケカワゴカイ」の3つの種に分割されるようになっています。

しかし、釣りエサ屋さんではそこまで細かく分けられておらず、総じて【ゴカイ】として販売されています。

イソメとの違い

釣りエサでいえばゴカイと同じような生き物に「イソメ」という生き物がいます。

見た目が非常に似ており、両者とも環形動物門・多毛綱ではありますが厳密にはイソメはイソメ科、ゴカイはゴカイ科に分類されるため違う生き物です。

釣りエサ界の代表格『ゴカイ』の生態 人命救助の現場で活用される?イソメも定番の釣りエサ(提供:PhotoAC)

釣具エサ屋さんで販売されている種類のイソメは一般的には「アオムシ」や「アオイソメ」という名で販売されていますが、本来は「朝鮮ゴカイ」と言います。

名前からもわかるようにイソメは日本近海には生息しておらず、中国や韓国からそのすべてを輸入しています。

何を食べているの?

大部分のゴカイ類は肉食性で,小さな甲殻類やカイメンなどを食べています。

ゴカイの仲間のなかには海藻などを食べる草食性のものもいます。

また、砂やドロの中のバクテリアが付着した有機物を食べるものもおり、釣りエサとして使われるゴカイは後者の食生活を送っています。

世界最大のオニイソメは何と3m!

イソメの仲間に【オニイソメ】という種類のものがいます。

なんとその全長は最大で3mにもなり、世界最大のイソメと呼ばれています。

南国の海底の砂の中やサンゴ礁の隙間に生息しており、小型の魚を好んで食べます。砂の中から顔を出し、目の前を通ったサカナを砂の中に引きずり込んで捕食を行います。

日本でも和歌山県で捕獲された前例もあり、暖かい海域には生息しています。

ゴカイが人類の未来を救う?

私たち人間は呼吸によって酸素を吸収しますが、吸収された酸素は血液中に含まれるヘモグロビンによって体の各所に運搬されます。

近年の研究でこのヘモグロビンについての研究で、ゴカイの血液がヒトの血液の40倍以上もの酸素を運べることを発見されました。

しかも人間の場合、赤血球中にヘモグロビンは含まれていますが、ゴカイの場合は血中に溶けて存在しています。

将来的に、ゴカイの血液を輸血に使用することで、効率よく酸素を供給したり、手術後の回復を速めたり、なんてことが現実になるかもしれません。

興味が出て来た?

「ゴカイ」は見た目が気持ち悪く、馴染みのない人には全然興味の湧きにくい生き物なのかもしれません。

しかし、実は種類も数えきれないほど多く、未知のパワーを秘めたとてもユニークな生き物なのです。

「人を見た目で判断してはいけない」

と言うように、ゴカイも見た目で判断せず、持っている力や可能性に目を向けてあげて下さい。

いつの日かもっと注目される日が来ることでしょう。

<近藤 俊/サカナ研究所>

現在、一部都道府県に緊急事態宣言が発令中です。外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。