晩春から初夏は、浅ダナ両ダンゴでのヘラブナ釣りが最盛期を迎える。しかし、梅雨の晴天時は一筋縄でいかないことも。今回は、同パターンの対応策を解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・楢崎人生)
梅雨の晴れ間のヘラブナ攻略
ヘラブナは産卵後の低活性、いわゆる『一服』と呼ばれる時期を過ぎると浅ダナ両ダンゴでの釣りが最盛期を迎える。晩春から初夏は水温の急激な低下もほとんどなく、梅雨に入り低気圧の接近による高活性に雨が加われば好釣果が期待できる。
しかし梅雨時の晴天時は真夏に引けを取らぬ日差しの強さと気温・水温の上昇で、雨天時の好調が嘘のように食い渋ることも少なくない。そのような時は夏の釣りを軸に展開すると釣りそのものが組み立てやすく、好釣果につながりやすい。今回は初夏の難所である梅雨の晴れ間について紹介する。
マヅメ時を狙う
早朝や夕方の薄暗い時間、つまり『マヅメ』は四季を問わずヘラブナの活性が上がりやすい時間帯だ。低水温期ならば夕マヅメだが、高水温期なら朝マヅメがもじりも多くヘラブナの活性が高い。
この時間は初夏の難所といえどもカッツケから二本ほどまでの浅ダナで強い釣りが展開できる。日が差してもじりがなくなるまでの短い時間だが、湖全体で活性の上がるゴールデンタイムだ。朝マヅメに枚数を稼いでその日の釣りに勢いをつけよう。
チョウチン釣りで深場を狙う
日が昇るとヘラブナのタナは落ちる傾向にある。タナが落ちる理由として考えられる可能性は3つ。1つ目は強い日差しにより水面付近の温度が上昇し、ヘラブナにとって居心地が悪くなること。2つ目は浅場より深場の方が水温も安定していること。3つ目は初夏の強い日差しは深場にまで届き、植物性プランクトンが活性化してヘラブナが深場でも摂餌行為を起こすこと。
実際にはこれらの理由が複合的に関与し、さらにはこれら以外の要素が加わって浅ダナから深場へ移動すると考えられる。
チョウチン釣りはタナを探す、もしくはタナを作るまでの時間はかかるものの、釣れ始めれば浅ダナよりも良型が交じる可能性も高い。釣り場にもよるが丈八や21尺、もしくはそれ以上の長竿を準備しておけば心強い。
低水温・酸素量豊富な場所を狙う
湖沼によっては流れ込みのある場所もある。山上湖やダム湖であれば流れ込みの水は地中を通り地上に湧き出している可能性が高く、水温が本湖より低い。流れ込みは水中の酸素量も豊富でヘラブナはもちろん、それ以外の魚にとっても快適なエリアとなる。
釣行日の天気が晴天の予報であれば、流れ込みの恩恵に授かる場所に釣り座を構えることも視野に入れておきたい。