侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:夏の沖釣り『熱中症』対策

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:夏の沖釣り『熱中症』対策

今日の問診票

新型コロナウイルスで混乱している間に、季節は夏。釣り人にとって夏の沖釣りは魚との闘いであると共に暑さとの闘いです。熱中症を予防して安全で楽しく釣りを行い、次の日に疲れを残さないような水分摂取についてアドバイスをお願いします。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)

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近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

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具体的な水分の摂り方

発汗量には個人差があるので、正しい水分の摂り方は「ノドの渇きに応じてこまめに飲む」となります。これが、最近ではもっとも正しいとされる自由飲水法です。釣り座周りにボトルを置くか、専用ケースで身につけて、喉の渇きを感じたら1回あたり50〜250mlほどを、まめに、ちょこちょこ飲みましょう(一度に300ml以上は飲まない)。トイレが近くなることを気にして飲まないことは危険です。

その際ナトリウム・ミネラルさらに糖分も含んだ体液組成に近いスポーツ飲料が有用になります。スポーツ飲料は 血液、体液のバランスを最適に補正するので、真水やお茶と違い、汗をかく環境では尿量を増やしません。しかし釣りの最中は、おにぎりやサンドイッチ、スナックなど食べ物も食べられます。十分な塩分や糖分を含んだ食べ物を食べているのにスポーツ飲料を無考慮に摂取すると、血液中の塩分濃度や血糖値が上昇し、更に喉が渇き、過剰な水分が必要になってしまいます。

熱中症予防の水分補給として、日本体育協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質(4〜8%)を含んだ飲料を推奨。自作なら1リットルの水にティースプーン半分の食塩(2g)と角砂糖数個を好みに応じて。糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:夏の沖釣り『熱中症』対策具体的な水分補給(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

ですから釣りに集中してあまり食べない人はスポーツ飲料をメインにお茶や真水も予備に。逆に、こまめに食べる人は真水やお茶をメインに、発汗が多い時や船酔い・体調変化で食事がとりにくくなった時を想定してスポーツ飲料を予備に持って行くのが良いと思います。いずれにしても夏場は一人あたり総量2Lほど、500ccのペットボトルなら計3~4本、沖あがりが正午を超えるようであればさらに追加の水分を真水、お茶、イオンウオーターなど好みや状況を考慮して持参しましょう。

程度に冷えた飲物がオススメ

また 冷たい物はお腹が冷えて身体に悪いと思われがちですが、熱中症対策に適した飲物は5〜15℃。冷水は胃に留まる時間が短く、速やかに小腸に移動し、吸収されます。口もとから胃、腸を冷やせば深部から体がクールダウン、精神的、気分的にも爽快感が得られます。冷温を長時間保てるハイドレーションボトルや保冷機能が備わったボトルケースの活用をお勧めします。

侍Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック:夏の沖釣り『熱中症』対策正しい水分補給で夏の釣りを楽しもう!(提供:WEBライター・近藤 惣一郎)

<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>