気温が上昇し、寒グロは厳しい状況があちこちから聞こえてくる。そんな中、鹿児島県の南薩地帯でシマアジの回遊が活発になっているとの話を聞き、3月15日に職場の同僚の小場さん・藺牟田君と南さつま市・野間池に釣行した。
午前6時30分出港
出港は午前6時30分。
楽しみ過ぎてだいぶ早く着いたため、港でエサを混ぜることにした。
あわよくばクロ(メジナ)やイサキも狙うつもりで、まきエサはオキアミ生2角、ジャンボアミ1角、『グレパワーV9スペシャル/マルキユー』1袋、『グレの道/マルキユー』1袋で半日分とした。
つけエサはオキアミ生と『食わせオキアミスペシャル/マルキユー』を用意した。
定刻になると軽快なエンジン音とともに栄進丸で出港。
まずは米島周辺に釣り人を降ろしていき、私たちはマノリ瀬へと渡礁。
見た感じ西向きにゆっくりと潮が動いているため、3人並んで西向きに釣座を構えた。
まきエサをまき、タックルをセットして釣り開始。
まずはどこで潮が潜り込むかを確かめるため、ガン玉なしで流してみる。
ウキは海面下にホバリングしながら流れ、20mほど先に差しかかると潜り潮をとらえて海中にどんどん潜っていった。
しばらく流して仕掛けを回収すると、つけエサがそのまま返ってきた。
仕掛けの入りを速くするため、ガン玉G7を1個付けて同じように流し、先ほどよりも長く流しているとラインがスーッと動き、サオ先がグンッと引っ張られた。
アワセを入れてサオを絞ると、バット部分に重みが乗ったところでフッと軽くなった。
やってしまった。一発目からのバラシである。
仕掛けを回収してみるとハリ外れだった。
シマアジであれば口が非常に軟らかいため、口切れによるハリ外れが多い。
この点に注意して次を狙う。
しかし、その次がなかなか来ない……。
潮の角度が変わったのか潜り潮が弱まり、思ったタナに仕掛けが入らない。
そこで場所移動し、手前の引かれ潮から流してみることにした。
潮が先ほどよりもゆっくり動くため、ガン玉を外して流していくと、潮壁になっているところで、いい感じにウキが潜り込んでいく。
先ほどの失敗を生かし、ラインをたるませ気味に流し込んでいくと、手元まで伝わるアタリでラインがひったくられた。
サオを起こすが、相手はヒラを打っている(ハリ掛かりした魚が海面や磯ギワで反転すること)ようで、水圧でなかなか浮いてこない。
サオ先をコンコンッとたたくような引きだ。
本命を期待しながら丁寧に寄せると、海面下に見えたのは、金色の線がきれいに輝くシマアジ特有のシルエット!
大事にタモに収めたのは35cmほど。
磯上はやる気に満ち溢れ、今度は小場さんが掛けた!引きからしてこれもシマアジのようだ。
どうやら群れがまきエサに付いたようで、私にもすぐに食ってきた。
小場さんと2人で交互にサオを曲げる展開に。
そんな中、フカセ釣りを始めたばかりの藺牟田君は深層で食いを見せるシマアジのアタリをなかなか取れないようである。
そこで仕掛けを変更させ、ラインの置き方・張り具合やまきエサの投入点などをアドバイスすると、すぐに見事に掛けた!真剣な眼差しでやり取り。
しかし、取り込む寸前で口切れによりバラしてしまった……。
しかし、さすがは期待の若手。
コツをつかむのが早く、その後は次々とシマアジを掛けていき、3人ともにシマアジの強い引きを十分に楽しむことができた。
イサキを狙ってみる
11時を回ったころから潮が北東向きに流れるようになると、アタリがピタリと止まったため、今度はイサキを狙ってみることにした。
遠投して沖の潮に乗せ、潮なりに流してみる。しばらく流したところでラインの出方が遅くなった。
ラインを止めるように誘いを掛けてみると、バチッと指を弾くアタリ!少しラインを出して走らせてからサオでタメると、クンックンッと手元に首振りの振動が伝わってきた。
「もしやマダイ?」と思い、ドキドキしながら慎重にやり取りしていくと、海面下でギラッと銀色に光ったのはへダイ……。
この時期の南薩名物である。
しっかりと処理すれば白身で刺し身やフライで非常においしい魚なので、丁寧にシメて大事にキープした。
その後はヘダイや青ブダイなどのゲストに翻弄され、狙いのイサキは釣れなかったものの、強い引きを十分に遊ばせてもらい、満足の釣行となった。
今後はマダイやイサキといった、釣って楽しく食べて非常においしい高級魚が釣れる季節となる。
クロだけでなく、そういった旬の魚を狙うフカセ釣りも楽しんでいきたいと思う。
<週刊つりニュース西部版 APC・西翔立/TSURINEWS編>
野間池港