ゲーム性の高さと強烈な引き、そして食味のよさで、大人気のルアーターゲット・シーバス。なかでも東京湾は、日本一の魚影をほこり、一年を通して船や陸から手軽に大型魚釣りを楽しめる最高のフィールド。シーバスには、デイ、ナイトによって様ざまな釣り方があるが、今回は、ボートをチャーターし、キャスティング&ジギングで楽しんだ近況をもとに、春のオフショアデイキャスティングゲームでの基本的なタックルと釣り方について紹介したい。
ストラクチャー周りで狙う
3月下旬、千葉寄りの港湾部を中心に魚の着き場をチェック。
例年、4月下旬までは、シーバスは15~30mほどのやや深いところに集結していて、ジギングでの数釣りを楽しめる時期だが、今年はジグに反応する魚が少ないと感じた。
そこで、例年より早めに群れが散って、河川やストラクチャー(人口構造物)の表層に定位していると予測、防波堤での壁撃ちと、ストラクチャーでの穴撃ちを試すと、これがビンゴ。
75cmの大型を筆頭に、60~70cmのスズキサイズが30本と、まさに春爆の釣果に恵まれた。
壁撃ちとは、ボートの立ち位置からルアーを壁と平行にキャストして、壁際でベイト(エサ)を待ち構えているシーバスを狙う釣り方。
この釣りでのキモは、とにかく壁ギリギリにルアーを通し続けることと、魚の位置によるルアー選択。
キャストの距離は、狙う壁の大きさなどにより、3mくらいからフルキャストしての30m前後と幅広いが、重要なのは、正確なキャストを心掛け、ルアーの着水点が壁の10cm以内に収まるように狙うこと。
着水後は、竿先を壁に向けてルアーをなるべく壁際ギリギリに通し、クウッとルアーを抑え込むようなアタリがあったら、巻きアワセを交えたスイープなアワセで確実なフッキングに持ち込む。
同じルアーや巻きスピードでも、壁から30cmも離れると、アタリが激減してしまうことを意識すると、飛距離よりもキャストの正確さと竿の角度やトレースコースが釣果の分かれ道になることが分かる。
また同じ壁でも、時期や水温や光量、ベイトの有無などによって、魚の位置は水面直下から海底まで様ざまなので、同じ船の位置なら、まずはミノーで表層をチェック、活性の高い魚を狙う。
アタリがでなければ、バイブレーションで、3~10mの層を速く、広く探る。
さらに、底上5mから海底までの層をブレード系でスローに狙えば、かなりの確率で魚に出会えると思う。
3月28日(水)は、船長こだわりの大型を狙ったシャローキャスティングゲーム。
消波ブロックを狙い、開始早々に同船者が70cmアップの極太スズキをゲット。
私もこのサイズをダブルヒットし、その後もストラクチャーに絡んだシャローを狙って、2人で約20ヒット。
ピーカンベタナギで潮も動かず、難しい条件下での釣りとなったが、エキサイティングなシーバスゲームを楽しめた。
消波ブロック撃ちのキモは、ブロック際ギリギリにルアーを着水させることと、ブロック際から1~2mをヒットゾーンと意識する。
オープンウォーターで狙う
さらに、4月1日は、釣りガール・白井亜実さんから、シーバス釣りをリクエストされ、キャスティングに初挑戦してもらうことに。
この日は、初心者にもやさしいオープンウォーターを狙い、早々にゲットして破顔一笑。
した牧征樹さんや、佐々木健了さんらとともに、フルキャストし流れを読んだトレースコースでバイトを引き出し、私の釣果は良型ばかり14ヒットの10尾とテクニカルデイゲームを満喫することができた。
どの釣り方もルアーはミノーとバイブレーションが基本となるが、前述の壁撃ちや、ストラクチャー撃ちと合わせたこの時期の基本的な巻きスピードは、ルアーが泳ぐギリギリのスロー。
ポイントによって潮の効き方が違うので、このスピードは一概には説明しがたいが、ブルブルとルアーが動いている感覚を感じる最も遅いスピードを意識すれば、アタリは倍増すると感じている。
<週刊つりニュース関東版 APC・奥野忠弘/TSURINEWS編>