海のルアーゲームとしては比較的身近な釣り物となるシーバスだが陸(ショア)から狙うにはポイントも限られ、他の釣り人とのポイント確保も気になるので今回はボートからのシーバスゲームを紹介しよう。
ボートというと敷居が高く感じられるが……
街中でも大物が狙え、仕事が終わって夜釣りの短時間でも十分遊べる上に最近のボートの船長も釣り人の気持ちを最優先に考え初心者にも釣りやすく、ていねいにアドバイスを入れてくれる船がほとんどであり、まさにサービス業としての魚釣りを確立、提供してくれる。
料金の設定も比較的湾内の近い場所が多いため、ルアーで遊ぶ船としてはリーズナブルな設定になっていることが多く、釣りの時間も4時間前後で組まれているので体力的にも楽な釣りである。
釣行の流れとしては、まず、最初に行きたい船を選び、その船にネットなどで情報があればチェックをして気に入れば船長に連絡を入れて空いているか確認して同時にその時のアタリルアーや船の注意点を確認するとよい。
船の釣りは釣行が天候などで中止、変更になることも多いので釣行日前日、もしくは夜の釣りでは当日に最終確認を必ず入れる方がよく、特に天候で荒れる海では船に酔う心配がある方は決して無理な釣行はしない方がよいし、仮に無理をして釣りができないと船長も気を遣うので遠慮せずに海が荒れる時は自分が酔いやすいことを船長に伝え、できれば中止、もしくは別の日に変更するか次回にお願いしますと伝えれば快く受け取ってもらえる。
逆に船長判断で中止の場合も無理は禁物であり、自然相手の遊びではあるので自然に従おう。
実釣に向けて
前置きが長くなったが、最近行ったボートシーバスの現在の様子を伝えよう。
私のホームである小倉(北九州市)は大阪や東京に比べ、ボートゲームは歴史が浅く、シーバス専門に船が出るようになってから10年ほどである。
手探り状態で始まったシーバスのボートゲームも時間とともに釣れるパターンや、よく釣れる状況も確立されつつあり、ポイントの限られる陸から釣るより、はるかにシーバスをキャッチする近道となっている。
【ポイント選び】
基本的にシーバスもエサ(ベイト)となる魚や甲殻類を食べやすい条件に集まるため、エサの集まる潮の流れの良い所や、夜になって常夜灯などで明るく照らされたエサの状態の良い所がポイントとなる。
【ルアーについて】
ルアーの釣りの場合、場所により、集まるエサの種類でルアーを選択することが重要で、何を選べばよいかは船長に聞くとよいが、特に重要なのはエサのサイズが合っていないとシーバスが振り向きもせず釣果が落ちる。
カラーはエサに近ければより効果的だが、ルアーの場合、元々が偽物であるため、シーバスの興味を引くことができる派手なカラーも効果がある。
言えば、自分の持てる釣りに対する〝引き出し〟が多いほど、より良い釣果が期待でき、釣った時の感動も大きい。
釣り自体はまだ寒さが残る3月だが釣りの対象魚としてはシーバスは水温が落ちてもよく釣れる魚種で、冬にエサとなる種類としてイワシ、サバ、コノシロなどがメーンとなりやすい。
イズで臨みたい。
私の住む小倉は毎年、大小あれど冬の間はコノシロが多く入って来ており〝コノシロパターン〟とも呼ばれている。
ルアーのサイズもコノシロに合わせて14~18cmの大型のルアーがヒット率も高く、必然的に釣れるシーバスのサイズも大型が多くなる。
今回のボートシーバスも使ったルアーは14cmを主に使い、キャストするタックルもルアーの重さに負けない強めのタックルが必要になる。
釣りに有効な条件として遠くに飛ばしてルアーを長い距離泳がせるとヒット率が上がるので、慣れない方は揺れるボート上で始めるより、揺れない陸からキャスト練習してボートに乗り込もう。
【釣る時は……】
ルアーを巻くスピードは大型を狙うならルアーが動くことを条件に比較的ゆっくり引いた方が大型はヒット率が高い。
アタリはあまりひったくる衝撃は少なく、後ろから追ってきて吸い込む感じの〝モサッ〟としたアタリが多いが、違和感を感じたらすかさずアワせないとシーバスはルアーを吐き出してしまう。
シーバスのファイトは青物に比べ、思うほど強くなく、落ち着いてゆっくりファイトすれば自然と寄って来る感じだが都会で釣れる魚種として大型は1mを超える個体もおり、釣って楽しむには十分な満足感を得られるはずだ。
【最後に】
「ボート」という行動範囲の広さも、狙う条件の幅も多い釣りは満足感と、海から陸を見る少しぜいたくな釣りの時間としてこれから暖かくなる気持ちの良い釣り、アウトドアのレジャーとして遊んでみてはいかが。
<週刊つりニュース西部版 APC・宮崎晃/TSURINEWS編>