ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力

「山形さ行げ」。数年前、福島県内の釣り人に教えてもらって以来、どハマりしているみちのく・山形。今回は、そんな"北のへら釣り激戦区"のエピソードを紹介する。

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(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

山形はヘラブナ釣り激戦区

山形県と聞いて、へら釣りを想像する方は少ないと思われる。実際、私の周りでも「ホンワカした県民が小さなため池で、のんびり竿を振っている」的に捉えている人がほとんどだ。

しかし、現状は真逆で、ヘラブナ釣り熱はかなりのもの。へら釣りの本場とも言える、埼玉県とひけをとらない熱の高さなのだ。人気釣り場は平日でも多くの釣り人が並び、早朝から場所取り合戦が行われている。釣具店には常に新しいエサが並び、釣り人は常に釣技の話しをしている。

競技の釣りにも熱く、メーカー主催のトーナメントに挑戦する人が目立つ。雪国のため、暖期 (4〜11月)に集中する例会は、月に2回行う会も珍しくないのだ。

また”きれいな釣り”をする人が多いのも同県の特長。どの釣り方でも基本に忠実にこなし、お手本のようなスタイルで楽しんでいる姿が目立つ。

野釣り中心のヘラブナ釣り場

さて肝心の釣り場だが、管理や釣り堀が少なく野釣り場が中心。その野釣り場が桁違いに凄いのが、私が通う最大の魅力だろう。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力前川ダム(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

例会で30キロを超える釣果が上がる、前川ダム (米沢市)。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力沼の辺沼(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

数・型ともにお任せは、沼の辺沼 (山形市)に原崎沼 (天童市)。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力平日でも混雑するほど人気の原崎沼(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

静寂を突き破る糸鳴りが魅力の荒沼 (白鷹湖沼群)。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力荒沼(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

ロケーションに圧倒されるのが羽竜沼 (西蔵王高原)と、神秘的な水没林の白川ダム (飯豊町)。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力水没林が神秘的な白川ダム(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

玉虫姫の民話が残る玉虫沼 (山辺町)も印象深い。数え出したらきりがないほど、素晴らしい釣り場が豊富なのだ。

カワウの食害が少ない

そのほとんどが抜群の魚影を誇り、入釣無料で楽しめるのだからこれまた凄い。昨年は野釣り場だけで11ヵ所、計30回以上竿を出したが、モンケ (山形の方言でオデコ)は乗っ込みのタイミングを外した白川ダムだけと、その驚異的な勝率に脱帽だ。

注目すべきことは池の規模と放流量で、どの釣り場も周囲数キロと湖クラスの大きさだが、放流量は平均すると200キロもない。冬場、凍結する釣り場が多い山形は、カワウの食害が少なく魚が育つのだ。カワウを見ない日がない関東では、考えられないだろう。

野生動物に注意

山形といったらクマ・サル・イノシシなどの動物 (獣)が、当たり前のような環境だ。昨年は釣り堀でサル、ダムの駐車場でイノシシと遭遇した。クマ対策の鈴やラジオは勿論のこと、最近では「爆竹を持ち歩け」とも教わった。

ヘラブナ釣り回想記:山形県 カワウの食害少なく抜群の魚影が魅力クマ出没注意ののぼりも珍しくない(提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)

滅多に遭遇することはないが、こんな対策が必要なのも山形ならではだ。

ご当地グルメも見逃せない

美味い物が多いのも魅力。さくらんぼ・芋煮・米沢牛など多彩だが、個人的にはB級グルメの冷やしラーメン (冷やし中華ではない)が好きだ。意外だが、ラーメン消費量全国1位は山形なのだ。

このように、釣り以外でも魅力溢れる山形県。「遠い、遠すぎる」などの声が聞こえてくるのは百も承知。自分でも感じているが、それでも足が向いてしまうのだ。最高のフィールドに熱い釣り。本当に山形は「いいとごだっぺした〜」。

<週刊へらニュース APC・中村直樹/TSURINEWS編>

この記事は『週刊へらニュース』2020年5月8日号に掲載された記事を再編集したものになります。