水族館で人気のチンアナゴ。かわいい見た目は想像つくけど、生態まで知っている人は少ないかもしれません。新型コロナウイルスによるまさかの影響も含めて紹介していきます。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
水族館のチンアナゴに異変?
新型コロナウイルスによる影響があったのは私たち人間だけではありません。実は水族館のチンアナゴにも異変があったのです。
激しい人見知りに
感染拡大防止のため、長期休館中の【すみだ水族館】では、飼育スタッフ以外と顔を合わせることがなくなったチンアナゴが「人間を忘れはじめた」という事態が起きてしまったのです。
本来のチンアナゴは前述のとおり非常に繊細で警戒心が強く、すぐに砂の中に潜って隠れてしまうサカナです。しかし、お客さんに見られることに慣れていた同水族館のチンアナゴは人が近寄っても潜ることはほとんどありませんでした。
そんな彼らも人に囲まれる習慣がなくなってしまったことから、人間のことを忘れ、顔なじみの飼育スタッフが近付くだけでも隠れてしまうようになってしまったのだとか。
砂から顔を出さないことで健康状態を把握することができなくなり、作業に弊害が出てしまうなど、新型コロナウイルスの影響はこんなところにも及んでいたのです。
顔見せ祭り
そんな状況を打破するべく、同水族館ではGWに人間のことを思い出してもらおうと、「顔見せ祭り」というイベントが開催されました。
この企画では5月3日~5日の3日間、チンアナゴの水槽の前に設置された5台のタブレット端末が設置され、10時30分〜14時の開催時間内で一般の方からのFacetimeによる通話を募集し、通話がつながれば、チンアナゴの様子を自宅から観察することができるというものです。
その様子はライブ配信もされ、7000人以上の方がこのイベントに参加し、3日間でなんと100万件以上の着信が殺到したそうです。
この甲斐もあってか、チンアナゴたちは以前よりも顔を出すようになり、すみだ水族館も、
「たくさんのご協力、本当にありがとうございました!!チンアナゴたち、少しずつ人間を思い出してくれたように感じます。今後も休館は続きますが、日々、いきものたちと向き合っていきます。そして、みなさんとまたお会いできる日を首をなが~くしてお待ちしています!Thanks a lot!!」
と感謝のメッセージを発信しました。新型コロナウイルスが落ち着いたら是非水族館で直接チンアナゴを観察してみて下さい。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>