4月1日から『改正健康増進法』が全面施行。釣りは屋外レジャーであるが、気になるのは「釣り船」での喫煙。国土交通省への問い合わせも含めて紹介しよう。
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分煙実施船宿に聞いてみた
前述したように、遊漁船は改正健康増進法の対象ではないことがわかったが、船宿の中では法律の施行の有無に関わらず、独自に分煙を進めているところもある。
今回は、3年以上前から船上の分煙を実施している「とび島丸」に聞いてみた。
実施内容
静岡県土肥のとび島丸は、南方の好釣り場への遠征船と近海のマダイやヤリイカなどを狙う2隻の大型遊漁船を所持する船宿で、同船では3年以上前から船上での分煙を自主的に実施している。代表の鈴木忠文さんによると、「喫煙は主に船尾側の2階部分で行ってもらっている」とのことで。釣り船は、基本的に風上に船首を向けることが多いので、風の向きを配慮した設置だといえる。当然、船室内は全面禁煙だ。
導入のメリット
「かつては船縁などでたばこをもみ消すような人が多かったが減ったと思う」とのことで、喫煙場所を指示することで、後始末によるトラブルは減ったことは間違いなさそうだ。
デメリット
「もしかすると、その為に来なくなった釣り人がいるかもしれない」と言うが、この件については決して悲観的ではない。「むしろ、ルールを守れる人かどうかを判断する材料になるので悪いことではない」と加えた。
船上での余計なトラブルを未然に防ぐという、二次効果を感じているようだ。
お客さんの反応について
「何だよ、ダメなの」という人も中にはいたそうだが、過去大きなトラブルは起こっていないので、今後も継続する方針だ。
今後の展望
一部、ワカサギドーム船や屋内釣り堀を除き、釣りは屋外でのレジャー。それゆえ、遊漁船など完全禁煙に踏み切るには、もう少し時間がかかりそうだ。しかし、前述のように完全分煙化や喫煙スペース設置などを推進している遊漁船や釣り場は、今後さらに増えていくことが予想される。
釣り人は「ルール」を守り、喫煙者、非喫煙者それぞれがお互いに配慮する行動が求められる。各自が気を配る範囲を少し広げてみてはどうだろうか。
<大高崇/TSURINEWS編集部>