3月14日、神戸の和田防に釣行。狙いは前回の釣行時に釣れていた乗っ込みのチヌ(クロダイ)。この日は前打ちで挑み、うまく46cmの良型を仕留めることが出来た。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
沈みテトラで待望のヒット!
東方向にさらに歩みを進め、通称「出っ張り」と呼ばれる船着き場が視界に入る所で、積み方が少し崩れているテトラ帯に足を踏み入れた。沈みテトラがいくつか見える所に仕掛けを入れてみると、仕掛けが深く入っていく隙間を見つけた。同じ所を再度攻めてみると、今度はなぜか仕掛けが止まって沈んでいかなくなった。
違和感を覚え、そっと聞きアワセを入れると、一転してググッと仕掛けが深く入ったと同時に、サオ先が強く押さえ込まれた。待望のヒットだ。引きが強く、魚は潜ろうとかなりの抵抗を見せる。しかしテトラを前にして、イトを出してのやりとりは禁物だ。とにかく耐えて魚を浮かせるしかない。
魚のパワーを腕とサオ全体に乗せるイメージで、サオを立てて弧を描かせる。魚はなかなか姿を現さない。
堂々の46cmチヌが浮上
魚との格闘がしばらく続いた後、海面近くに銀色の魚体がチラリと見えた。良型のチヌと確信。猛ファイトの末にどうにか海面近くに魚体を浮かせ、頭を向けさせたと同時にタモを出し、一発で取り込みに成功。ずっしりとした堂々の魚体がタモに収まった。
ハリスはザラついていて、2号を選択して正解だった。雨ニモマケズの至極の1匹は、採寸すると46cm。体高も十分な堂々のハラミチヌだ。フカセ釣りの二人が寄ってきて「デカイですね!」と祝福してくれた。
時計を見ると10時40分ごろ。時合いは残り少ない。獲物をストリンガーに吊るし、さらなる獲物を狙って再出陣。さらに東に歩みを進める中、ふと振り返ると先ほどのフカセ釣りの一人がサオを曲げているのが見えた。魚の活性が一気に上がってきた。
フカセ釣りでは数釣りに成功
11時ごろにようやく雨が上がりさあこれからと意気込んだものの、満潮を過ぎて下げ潮に転じると魚が沖のほうに下がってしまった。前打ちには不利な状況になった。波止の中央近くまで歩みを進めたが、そこで釣り座を構えていたフカセ釣りの常連が、ストリンガーにチヌを束にして吊るしていたのを目にしたところでタイムアウト。残念ながら追釣はならず、最終釣果は先ほどの1匹で昼1時前に納竿した。
赤灯台に戻ると、「見てください。最後怒涛の猛ラッシュですわ」とフカセ釣りの二人から声をかけられた。バッカンを見ると、何と良型チヌが山盛り状態に。天晴れ!お見事!
陸上がりして帰りに河内渡船に氷を買いに立ち寄ると、「雨の中大変でしたね。大きいですね」と労ってくれた。私は1匹に終わったが、船長によると、サオ頭は常連の6匹、赤灯台のフカセ釣り二人組も7匹と、周りは数釣りを堪能したようだ。
獲物は夕食のおかずに、刺し身と煮付けで賞味した。苦労して釣った充実感という心の調味料が、一段と料理をおいしく感じさせた。
今後の展望
船長に今後の展望を聞くと「今年は乗っ込みチヌの出足が早い。GW前にいい時期が終わってしまうかもしれない。ただ、昔は乗っ込みが終わると完全に食い止んでいたが、去年は産卵を終えた魚の一部がすぐに回復して食い始めた。今年も様子を見たほうがいい」とのことだった。
乗っ込みチヌはフカセ釣りが圧倒的に有利だが、エサが何であるかを含めて、GWまでの和田防の釣果情報には例年以上に注目したほうがよさそうだ。
<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>