エサでもルアーでも手軽に狙うことが出来る「カマス」は、釣りの人気ターゲットの一つ。食味も抜群で、特に塩焼きは絶品だ。今回は、ひと手間かければ、さらに旨味を凝縮させる事ができる『カマスの一夜干し』レシピを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本 隼一)
釣りターゲットとしてのカマス
エサ釣りでもルアーフィッシングでも狙え、回遊さえあれば、初心者でも比較的簡単に釣る事ができる人気ターゲットが「カマス」だ。
群れている事が多く1匹釣れれば、たちまち入れ食い状態になる事もあるが、時合が短い事でも有名だ。群れがいなくなる前に、どれだけ手返し良く釣る事が出来るかという奥深さもカマス釣りの魅力の一つだろう。
食材としてのカマス
カマスは、刺身はもちろんの事、塩焼きや煮物など、何をして食べても美味しい魚だ。他の魚に比べ、身に含まれる水分が多く、特に塩焼きやフライなどで加熱したり、干物にして身の水分を飛ばす事で、さらに美味しく食べられる。
秋になると脂が乗り始め、特に「アブラカマス」とも呼ばれるアカカマスはジューシーで絶品だ。その身は、白身で加熱するとほろっとした食感が楽しめる。また、皮目に独特の香りがあるのも特徴だ。
釣り場での下処理と持ち帰り方
カマスは、沢山釣れると1匹ずつ血抜きするのは手間だが、美味しく食べるには血抜きはしておきたい工程だ。
血抜きをする事で、臭みを取るだけでなく、鮮度を保ちやすくするメリットもある。血抜きの方法としては、魚の首を折って、氷で冷やした海水につけて血抜きを行う「サバ折り」がおすすめ。
カマスは、ウロコが剥がれやすいだけでなく、皮目の独特なニオイがあるため、クーラーボックスで良く冷やして持ち帰る際に、臭いが付いてしまう事も多い。そこで、大きめのビニール袋に入れてから、冷やせばクーラーボックスに汚れや臭いがつく事を防げる。またビニール袋に入れる事で氷や保冷剤に魚が直に触れる事によって起こる「氷焼け」も防ぐ事ができる。
自宅での下処理法と一夜干しレシピ
【材料】
・カマス2~3尾
・塩(天然塩なら尚良い)
【準備するもの】
・干し網または、脱水シート
調理方法
1.まずは、ウロコをしっかりと取り除き、水洗いする。ウロコ取りが無くても包丁で尾びれから頭に向かって軽く擦れば簡単に剥がれる。
2.一夜干しにする時は、「片袖開き」にする。カマスのカマ上と尾びれの付け根に、切れ込みを入れて背中側から腹側に向かって開いていく。
※ワンポイントアドバイス:一気に、包丁を入れずに少しずつ撫でるように開くと腹の皮を切ってしまう事が少ない。
3.内臓とエラを取り、血合いを良く洗い流す。エラを掴んで、尾びれ側に引っ張ると内臓が一緒に付いてくるので取りやすい。
4.10~15%の塩水を作り、開いたカマスを30~45分漬ける。目が白くなったら身に塩が回ったサイン。
※ワンポイントアドバイス:精製塩ではなく天然塩を使用すると美味しく仕上がる。
5.カマスを軽く水洗いしてキッチンペーパー等で水分を拭き取る。水分が残っていると臭いの原因にもなるので、十分に水気をふきとろう。
6.夕暮れ頃から、干し網に入れて翌朝まで一晩干す。干す場所や干し網が無い場合、天候が悪い時は、一夜干し用の脱水シートを使うのがおすすめ。脱水シートは釣具店や通販などで市販されているので簡単に手に入るだろう。
7.翌朝、干したカマスを取り込む。乾きが悪い場合は少し日に当てて水分を飛ばす。