波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化

タチウオやスズキ、チヌなどこれから秋にかけては、涼しい夜風を受けながらの夜釣りが楽しい時期。ゆらりと水面に浮かぶ電気ウキの明かりがスーッと海中へ消えていく様は、快感以外のなにものでもない。と言う事で、今回のテーマは電気ウキ。使い方の基礎知識から現場で失敗しないためのコツなどを紹介していこう。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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電池の小型化の影響

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化棒ウキタイプもご覧の明るさ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

波間に赤々と点灯する電気ウキ。遠くから見ても明確に分かるあの明かりは釣りにとっての大革命と言っても過言ではない。さて、この電気ウキだが、現在はリチウム電池を使用したものと、別付けでケミカルライトを装着するタイプが多いだろう。

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化ケミカルライトを付けるホルダー(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ケミカルライトを装着するタイプは、ウキの先にホルダーが付いていて、ホルダーの寸法に合ったケミカルライトを付ける事ができる。つまり、電気の回路を使っていないので故障がないのがメリットだが、ケミカルライトを用意しなければならず、1回点けてしまうと、納竿時には光っている途中でも、消す事ができないなどのデメリットもある。

いつでも消灯できるメリット

逆に、電池式の電気ウキは故障してしまう事もあるが、いつでも電池を抜けば消灯でき、突き刺せばまた光らせる事もできるので、1日の釣り時間が短い時などは重宝する。

ウキの形状も豊富で、羽根ウキに近い細身の棒ウキタイプから、中通しウキでのフカセタイプ、さらに大きく遠投が効く自重のあるタイプなど、釣りの種類に合わせてバリエーション豊富に発売されている。

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化電気ウキの形状はいろいろ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

釣り用に開発されたリチウム電池そのものが小型で細身の電池のため、ウキが細くても丸くても収納しやすいのが、このバリエーションの豊富さに拍車をかけている。

また、リチウム電池の電気ウキに欠かせないのが、LEDライトである。小型で消費電力が小さく、現在では生活するあちこちにLEDライトが見られるのがご存じの通り。電気ウキもその恩恵を受けていて、小さなLEDライトの発光力に助けられていると言える。

電気ウキが光るシステム

簡単に電気ウキの光るシステムを紹介すると、電気ウキの取り外しができる部分に電池を収納するホルダーが付いていて、ここから電気の線を通してウキのトップ近くにあるLEDに電気が供給される。軽量化等を考えて、シンプルな作りにしてあるので、たいていはホルダーに出リチウム電池を差し込むと即点灯。消すには電池を引き抜くようになっている。

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化リチウム電池を差し込んだ状態(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

電気ウキ用のリチウム電池は細身の筒状の先にさらに細いピンのような突起が1本出ている。これがマイナス極で、筒状のボディがプラス極になっている。電池を収納するウキ内部のホルダーは、ピンを突き刺す穴の奥と、筒状のボディを保持するためのホルダーの内側に通電のための金属が使われている。

ウキのホルダーに間違いなく差し込めば、自ずと電流が流れる仕組みだ。逆に電池を逆さまにして差し込んでしまうと、プラス極は通電する金属に触れるが、マイナス極が反対側にあるため結局は通電しない。

現在ではウキに使用される小型のリチウム電池も進化を遂げており、より小型化が進んでいる分、反対に差しても一見して気付かないなんて事もあるので、電池を差してみて電気が点かなければ電池の入れる方向を疑ってみる。

どんな場面でも水濡れは厳禁

電池式の電気ウキの場合、必ず、電池を入れなければならないので、ボディを開ける事ができるようになっている。これは遊動式でも固定式でも同じ。たいていの場合はネジ状で回転させて外すのだが、ここが少々クセ者である。

電池はあくまでも機械システムなので水には弱い。そのため、少しでもウキ内に水分が流入すると、あっという間にショートして使えなくなる事もある。

強い雨の降る中で電池を入れるなどの作業は細心の注意を払ってほしい。できれば、釣り場に着いたら、まずは車の中など雨や海水がかからない場所で電池を入れて以降は開けないようにしておきたい。

もし、どうしても野外で電池を入れかえたり、新たに差したりしなければならない時は、タオルを被せた状態で作業をするなど、念には念を入れて行おう。

予備にケミカルライト使用のウキも持参

逆に筆者がやっているのは、大雨の日などにどうしても電気ウキが必要で、さらに現地で濡れてしまっている時の事を考えて、同じようなタイプ、オモリ負荷のケミカルライトを付けられる電気ウキを別に持参しておく。ケミカルライトは機械システムではないので、少々濡れても大丈夫だ。

水が入ってはいけないという理由で、使用中も時折、電気ウキの接続部分が緩んできていないかを確認してほしい。締め付けておけば滅多に緩む事はないが、投入、ヒットからのやり取り、波止上に転がすなどなど、夜釣りでは案外電気ウキをハードに使いがちである。

電池の交換時期は?

使用後は乾いた場所まで持ち帰って、すぐに電池を抜いておく。そのまま忘れていると翌日になっても点いているが、その分、電池が減っているので、次回の使用時にどんどん暗くなってしまう。

ちなみに電池が減ってくるに従い、LEDの明るさも徐々に暗くなってくるので、交換時期は「投入したウキの明かりが暗くて見にくくなったら」である。手元では明るく見えても、離れた海面に浮かせると案外と見えにくく、見失う事もある。そんな自体に備えて予備のリチウム電池も持参しておきたい。

棒ウキの中には、電池が入るスペースが大きく(長く)取ってあり、リチウム電池を逆さまに差しても、突き出たピン状のマイナス極も収納できるタイプもあり、収納時は反対に差しておけば、「電池だけ忘れた~」なんて事態にならないが、これを繰り返しているいつの間にか電池が減ってきて、釣り開始から暗いウキでスタートしなければならない事も。

波止釣りのマストアイテム『電気ウキ』の基礎知識 電池の小型化で進化電池を逆さに差し込んでおけるタイプ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

電気ウキの浮力に注意

最後に釣りで使う上での注意点を1つ。電池も金属である分、ウキに入っている(内蔵されている)のと、入っていないのとでは浮力がかわる。基本的にパッケージに書かれてある、オモリ負荷の表記は電池を入れた状態である事が多いので、実際に使用する際には注意を。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>