夏休みの週末は家族連れで釣り場も賑わう。大阪湾南部の各護岸では今が盛りと小アジがサビキで釣れている。が、今年は小サバの回遊も多く、ともすればアジは居るのに小サバだらけになってしまう事も。7月28日は汐見埠頭で午後から3時間ほどの釣りで小アジを300尾ほどキャッチ。そこで、当日も非常に効果を発揮した小サバと小アジを分ける釣り方を紹介していきたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
夏休みの週末は人、人、人
梅雨明け後、初めての週末となった7月27、28日。27日は台風の通過で荒れる事はなかったものの雨予報だったためか、行楽に出かける家族が28日に集中した感じ。朝から湾奥の沖波止へ渡す渡船店に連絡をすると、「朝からもの凄い人で、すでに渡船を止めている」との事。
とりあえず、小アジの南蛮漬けが食べたかったので、近所のご夫婦(釣りが2回目)を誘って、ひと足先に自宅を出発した。途中の釣具店で店長と話をしていると、南港魚つり園もアジがよく釣れているが、「今日は開園と同時に満員になった」と言う。すさまじい釣り人気?
「やっぱり大阪湾の南部へ下った方が釣り場も多いので、分散するから竿出しできる場所も残っているハズ」とのアドバイスを受けてその足で南へ向かった。
まずはなぎさ公園護岸へ
まずは泉大津のなぎさ公園へ。ここは無料駐車場もあって公園のベランダからの釣りなるが、到着した昼過ぎには人はまばら。家族連れが数組、竿を出していたが、ポツリポツリと小サバや小アジが上がっている。
夕方の時合いには釣れるであろうと判断して、次はそのすぐ南に位置する人気も高い、汐見埠頭へ。到着したのは午後1時頃。
汐見埠頭で小アジ確認
ズラリと人が並んでいるが、すでに納竿後の人もいたのか、ポツポツとスペースが空いている。車を止めて見ていると、時々、20cmほどの小サバが回遊しているようで竿が曲がる。そして、ごく希に12、13cmの小アジも釣れている。そこで、試しに竿を出してみる事にした。
魚の習性を知っておこう
手軽でビギナーにも楽しめるサビキ釣りだが、本命を小アジに絞って釣るとなると、少し工夫が必要だ。
基本的に小サバは表層近くを泳ぎ回っていて、派手な動きによく反応する。逆に小アジは底近くに潜み、フォールするエサに反応する。この習性を生かして釣りを組み立てるのが◎。
カゴのセレクトが重要
まずは仕掛けだ。磯竿2号4.5~5.3m(ズーム)にLB(レバーブレーキ)タイプのスピニングリール、道糸は2号。道糸にはあらかじめ、飛ばしウキ用のシモリペットを付けておく。その下のサビキはスキンの6号をチョイスした。問題はカゴオモリ(どんぶりカゴ)だ。
手元に3タイプのカゴを用意した。全て金属製のカゴで、1つは細身で深いカゴにオモリは12号とやや重め。もう一つは大きいカゴでこちらもオモリは12号。最後は中間サイズのカゴでオモリは15号と1番重いタイプ。実はこの3つのカゴの使い分けでポイント設定ができる。
アジの群れを底にとどめる
まずは表層のサバを無視して、中間サイズのオモリに強めにアミエビを指で詰めて、サバに食われる前に底まで落とす。中層でサバに食われれば失敗だ。サバの層を突破したら、底でアミエビを振り出すが、ここでの注意点はカゴを上げすぎない事。
カゴを上げる事で、上の方までまきエサが出て、表層、中層にいるサバが仕掛けのあるタナで集まってしまう。それを避けるために、今回は水深5mほどで海底から30cmくらいの上げ幅で止めておく。カゴを30cmほど上げたら、10cmほどはフリーで沈め(まきエサをまく)、残りの20cmほどは竿でゆっくりと下げていく。
すると、ククンと竿先を持ち上げるアジ独特のアタリが来てすぐさまアジが釣れた。理想通り、アジは下から2番目のハリに掛かっている。アジが居る事が分かればできるだけアジを浮かさないように、底でまきエサを集中して底にアジだけを集めたポイント作りにかかる。
途中でどうしてもサバが掛かったりするが、そこは仕方がない。そして、サバが増えてきたら、大きいカゴにかえて、今度はアミエビを緩く詰めて、竿のズームを伸ばし、少し沖の表層でエサを多めにまく。これでサバを少し沖の表層に集めてしまおうという作戦だ。
サバが出始めたら底へのまきエサを少し控えるために、一番細いカゴにかえる。これで途中でアミエビをこぼさずに海底付近で少量のまきエを続けると再びアジだけが入れ食いになった。
アジが上ずればまきエサを止める
試しに竿を大きく煽ってしまうとすぐにサバが掛かってくる。厄介なのは、アジが上ずって、タナが浅くなってきた時だ。仕掛けの上部のハリにアジが掛かりだしたら要注意。本来ならアジのタナに合わせて仕掛けを上げるが、これではアジとサバのタナが合致してしまい、混合で釣らなければならなくなり、小アジ釣りとしては効率が悪い。
こんな時は一時エサを切って(まきエサをしないで)、休憩だ。