伊藤さとしのプライムフィッシング。その日その釣り場で最良の釣りを目指す。1カ月をメドに釣り方、エサ紹介などを伊藤の実釣を交えて解説する第21回。今月のテーマは「グルテンセットの宙釣り。」釣り堀や管理池では使用頻度の低いエサ使いだが準山上湖系などではメインの釣り方と言ってもいい。今回はこの釣りを支えるであろうバラケのメイン銘柄・段差バラケについて考えてみたい。
魚の密度と釣果
この時期に宙釣りでグルテンセットを使う釣りとなると、関東近県では準山上湖系や山上湖(以下・両者を野釣り)が主戦場になりますよね?
「まあ、そうだね。管理池や釣り堀では両ダンゴか固形物を食わせに用いたセット釣りが主流になるだろうからね。」
ちなみに釣り堀を含む管理池と、準山上湖との大きな違いとは何でしょうか?
「決定的なのは水域の大きさだよね。
マスが大きくなるのだから、魚の密度が低下するのも道理だろうし。ただし放流量などで一概には言えないけどね。」
でも実際にはマスが大きくても管理池並みか、それ以上の釣果が出たりもしますよね?
「確かにそういうこともあるよね。でもどちらが魚の密度が濃いかって話なら、明らかに水域が狭いほう。なのに釣果って話になると逆転の現象が起きたりする。
つまりは活性を加味した魚の寄せ方ってことじゃないのかな。密度が薄くても魚を効率的に寄せられればアタリにつながるだろうし、逆に魚影が濃い所でむやみやたに寄せれば釣りづらいだけ。
管理池の場合はむしろ後者の理由で釣果が伸びないのでは?」
確かにそれは言えますけど、であれば野釣りなら寄せ過ぎにはならないってことですか?
野釣りはバラケがキーになる?
「そうは言ってないけど、管理池よりも寄せることに重点を置くのは間違いないよね。
むしろ寄せ過ぎて上ずるくらいのほうが釣果が伸びることのほうが多いしね。」
となるとグルテンセットの釣りでキモとなるのは、やはりバラケってことになりますか?
「まあセッティングとかウキとか重要な部分はほかにもあるけど、タッチを含むバラケがキーになるのは間違いないかな。」
そこで登場するのが今回の実釣でも使用した段差バラケなんですね?
「そういうこと。昨今はあまり管理池で使用しない銘柄になりつつあるけど、野釣りではまだまだ活躍の場が多いエサだよ。」
特徴を一言でいうと?
サナギ粉の集中力が◎
「集魚力だよね。サナギ粉が大量に配合されているから、寄せることに関してはマルキユー製品の中でも群を抜いているよ。」
段差バラケと聞くと角麸(一発)のバラケエサというイメージが強いのですが、グルテンセットのような釣りでも使えるのですね?
「まさに王道だよね。今流行のタテ方向のバラケに重点を置いた銘柄とは違って、タッチ次第では横方向へもバラけてくれる。だから、漂い系の食わせ、つまりは一発の釣りに向いているとも言えるわけ。」
でも今回はグルテンセットですよ?
「そう。しかも水域が広大な野釣りでね。となると、この横方向にも広がりやすいという特徴をうまく生かせば、たとえ食わせがグルテンであっても強力な助っ人になってくれるんじゃない。」
なるほど。では、そのうまく生かすとは?
サナギ粉をうまく生かす方法
「横方向の役目は段差バラケに任せて、タテ方向はバラケマッハで補うとかね。
またタナが深ければダンゴの底釣り夏や、BBフラッシュなどをブレンドしてもいい。粒子が細かいエサだからブレンド性がいいし、比重が軽めだから宙釣りでも使いやすいからね。」
『大量のサナギ粉』『横方向にも広がる』『粒子が細かい』『比重が軽め』これらの特徴を生かしつつ、段差バラケだけは補いきれない部分をブレンドでまかなう。そういう使い方をすれば面白いエサになる。そういうことですね?
「そのとおり。とくに野釣りではね。」
次回も「グルテンセットの宙釣り」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
三名湖