上品な味わいのヤリイカ。さまざまな料理で食味を楽しめるだけでなく、テクニカルな釣りで人々を魅了する。1月31日(木)茨城鹿島の豊丸に乗船し取材した。
豊丸で寒猫根へ
4時半すぎに、5人のファンが集まり、タックルの準備や釣り談議に花を咲かせる。
出頭洋幸・若船長が舵を握る19tの大型快速船が5時すぎに出港。南東に針路をとって、寒猫根へ向かう。
広々としたキャビンやブリッジ上にあるスペースで冷たい風やシブキを浴びることなく、1時間半ほどで到着。
テクニカルな展開に
「どうぞ。145mです」のアナウンスとともにスタート。
ここはドロ底のポイントで、着底後すぐにイトフケを取ってから竿をあおって、底からオモリを引き抜くことが重要。
これをしないと刺さったオモリが抜けず、根掛かり状態になって釣りにならないので注意。
開始早々アタリがあったようで、聞き上げから巻き上げに入った。鹿嶋市の小川さんに上がってきたのは胴長40cm前後の良型。
魚探に群れは映らず、船長はカケアガリ、または少しずつ深くなる地形変化を選んで釣っていくテクニカルな展開で、こまめに流し変える。
多点掛けも!
そんななか、右舷ミヨシで安定したペースをキープして釣っていた、ひたちなか市の田内さんは「65歳の定年後、釣りのためだけに茨城へ引っ越し、釣りに人生を捧げている!」というほどの釣り好き。
自作の仕掛けやマットも、フロアカーペットを切り取って製作し、投入器やロッドキーパー横に設置。
サバ用のカンナ外しや釣ったイカを持ち帰るためのビニールの傘袋も用意し万全の状態で挑んでいた。
反対舷で釣っていた飛騨さんは、ヘラに始まりアユ釣りにハマっていたが、今は外房でハナダイやイサキ、近場で淡水小物をしているというベテラン。
ダブルで取り込み釣果を伸ばしていた。
田内さんと板橋区から訪れた赤峯さん(68歳)はヤリイカの経験はほとんどなく、レンタルタックルで挑戦。それでもヘラや渓流などさまざまな釣りを40年以上経験しているので慣れた手つきで釣り上げていた。
鉾田市の小沼洋さんは「那珂湊の船で前日に6.5kgのマダイを鯛ラバで上げたよ」と語っていたが、この日は2~3点掛けで連釣させていた。
終日ウネリが高く、途中からは雨が強く降りだし釣り人にはつらい展開になるが6点掛けなどがあり盛り上がる。
基本的にはベタ底で下から2~3本までのツノやスッテに掛かってくることが多かった。