今月のテーマは「両ダンゴのチョウチン釣り」。茨城県古河市にある三和新池での実釣を交えながら、この釣りのキーポイントを考えていこう。〝秋はタナを釣れ〟とはよく言ったものだが、これはチョウチン釣りにこそふさわしい格言。竿の長さでタナを決め、良型かつ食い気のある魚を探しチョウチン釣りらしく豪快なアタリを楽しむ。両ダンゴシーズンも終盤に突入。今一度、この釣りに向き合ってみよう。第4回はエサについて。
みんなの関心はブレンド
チョウチンに限らず両ダンゴ釣りだと、ついついダンゴのブレンドが関心事に挙げられます。
やはりブレンドって大事ですか?
「それはもちろん大切なことです。しかし今このページを読んでいる読者でブレンドパターンが分からないなどと言う人がいるでしょうか?私はそういないと思いますよ。すでにブレンドは分かっている。しかしここ一番で釣り込めない。そう考えている人のほうが多いのでは?」
確かに。中級者の記者でさえ配合比率は分かっていますからね。しかしそれでも釣れる人との差は大きい。するとやはりブレンドが違うからと思えてしまいます。
やはりブレンドの違い?
「どうでしょうか、そのエサでウキが動かせないのでしたら見当違いのブレンドという可能性はあります。ですが、そもそも両ダンゴのチョウチン釣りは魚の活性が高いからこそやれる釣り方なので、ウキが動かないなんてことはまずあり得ない話です。
動かないのは釣り方そのものが合っていない、そう考えるべきでしょう。」
ウキは動かせるが釣り込めない。この最後の詰めをどうすればいいかということですか?
「そういうことになりますね。
だとすれば根本的な解決策はブレンドではなくエサのタッチでしょう。微妙なタッチのズレが釣り込めない要因だと考えれば、やるべきことはシンプルになるはずです。」
ブレンドではなくハリ付け
手水、押し練り、練り込み、基エサ追い足し、麸エサの差し込みなどですね。
「はい。ウキの動きを見ながら、今使っているエサに何が足りないか、何が余計かを考えて調整をします。ですがもう一つ忘れてはならないのがハリ付けです。仮に竿もセッティングもエサもタッチも釣れている人と同じだとしても、最後のハリ付け一つでエサが変わってしまいます。逆に釣れないエサでも、ハリ付けの工夫次第では釣れるエサになることもあり得るわけです」
質量、形状、圧の強さと掛ける位置ですか?
「はい。タッチ調整をする前にまずはハリ付けの工夫。これを試してからでも遅くはないでしょう。正直、エサにばかり気を取られハリ付けがワンパターン化している人を多く見かけますから。」
ですがハリ付けは常に同じでタッチ調整をするやり方もありますよね?
「はい。そのとおりですね。ですがそれは相当エサについて分かっている人のやり方です。各エサの性質を熟知していないと、なかなかできるものではありません。」