今回紹介するのは広大な佐原向地にあって注目株は茨城稲敷市を流れる上の島新川。人気は衰えつつあるものの、まだまだ現役。時には驚くほどの良型地ベラが顔を見せる。新ベラの群れを探してさまようもよし、腰を落ち着けて地ベラ狙いに徹するのもよし。佐原向地の古巣で楽しもう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)
上の島新川の概況
稲敷市郊外の田園地帯を東西に流れる川幅5~20m、流程約5kmの農業用水路。上流は役前新川と名称を変えて横利根川(川脇)に繋がり、最下流は大重水路と合流し機場を介して洲の野原へ注ぐ。
各地から新ベラ放流の便りが届くなか、佐原エリアにも11月12日(土)に日研・全放協から1.95tの放流予定だ。
釣り場としての歴史は古くオールドファンには知られた存在で、以前は多くの釣り人が狙っていた。しかし年々放流量が減るに比例して釣り人も減少。今ではロコアングラーがたまに狙う程度とさみしい川になってしまった。それでも容姿端麗な中小ベラから野武士のような厳つい良型も狙えるので侮れない。またフナ族の魚影が濃いのでマブナ狙いの釣り人が、観光バスで狙いにくる光景もしばし見られる。
現況は本命オデコの日もあるが、水温の低下とともにヘラの出現率は高まっている。ジャミやマブナが多いのでウキはよく動き退屈することはない。大釣りは見込めないものの、新ベラに刺激されれば状況の一変もありえるだろう。
全体的に足場がよく、釣り台不要で楽しめる場所も多い。短竿でもアタリがもらえるので、ビギナーや足腰の弱い方でも安心して楽しめるフィールドだろう。
ポイント
上の島新川のポイントを紹介しよう。
大重水路
上の島新川の最下流で合流する別水路。例年、新ベラは機場前の深場に溜まることが多い。放流直後は10尺竿前後で狙い、その後は沖め狙いが定番。千葉窯業前は水深が2本前後あり魚影が濃いポイント。放流後はもちろん、冷え込みが増すこれからが期待大。竿は10~12尺。
干拓橋
川幅が広くて足場もよく、大人数が並べる。干拓橋周辺が深く水深は1本半で上流にかけて浅くなる。川幅が広いのでつい長竿を振りたくなるが、魚は手前に着いており竿は7~13尺がお勧め。高圧線下のボサ中も好ポイント。
神社前
年間を通して釣り人が入る1級ポイント。川幅が急に狭くなり水深も浅くなるが、この変化が魚を呼び込む。水深は1本前後で、竿は13~15尺。放流直後なら短竿で狙ってみよう。晩秋~初冬は40cm超の大型も狙える。
村中
集落内なので風に強い。また川をまたぐ形で鉄骨の構造物が多く並ぶ。近年狙う釣り人は減り穴場的なポイントになりつつある。住人がいるので静かに狙いたい。水深は1本~1本半。竿は7~11尺。
学校裏
橋を境に上流の川幅が広がる遠浅ポイント。往年の名ポイントだが現在は浅くなり、水深は50~80cm。竿は13~18尺。
ドラッグストアエービン裏
対岸にボサが生い茂り雰囲気ある。臆病な新ベラはこのようなボサの陰に溜まることが珍しくない。水深は1本。12~13尺竿で対岸の際を狙うと面白い。