堤防から手軽に狙えるコノシロ。寒くなると、脂がのって美味しい。今回は長期保存できる「コノシロの切り干し」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
切り干しとは
一般的には大根やサツマイモを薄く切って干したもの。これを水で戻し、煮物などの料理に使う。古くからの保存食として知られ、「切り干し大根」「干し芋」が代表的。今回はこの方法でコノシロの切り干しを作ってみた。
コノシロのシーズン
コノシロのシーズンは春と冬。春といっても4月ごろから6月上旬まで。その年により多少前後する。このころは腹が太く、真子や白子を詰めている。脂ののりは、いまひとつだが、あっさりして美味しい。
一方、冬は11月ごろから見え始め、1月に本番。2月ごろまで釣れる年もある。同時期は身に脂がのって最高だ。
コノシロを持ち帰る
釣れたコノシロは1尾ずつハリから外し、クーラーに入れる。20cm前後の小型は絞めずに、そのままクーラーに。25cmほどの大型はナイフなどを使って絞め、血抜きをしてクーラーに収納する。いずれも魚全体が潮氷に浸かる状態にしておくことが鮮度を保つコツだ。
下処理は2通り
下処理は大型と小型で若干の違いがある。いずれも頭とワタを取り、ウロコを剥いでおこう。ここからがポイント。小型は頭とワタを取り、小骨の多い腹側は少しだけ削ぎ落す。
一方、大型は腹側の小骨が硬いため、削ぎ落す部分も大きく。「歩留まり」は悪くなるものの、かなり食べやすくなる。
大名おろし
下処理を済ませたら、3枚におろす。丸型で細長い魚なので、大名おろしが簡単でラク。
細切り
3枚におろしたあとは、腹骨を取ってサクの状態に。これを骨切りする感じで斜め切りにしていく。身の幅として小型は1cm間隔、大型は5~6mm幅がいいだろう。切ったあとは軽く塩を振っておこう。
干し時間
最後の工程は「干す」。専用のネットでもいいが、冷蔵室内でもOK。干す時間は5~6時間から3日ほど。当然、長く干せば「カピカピ」になる。
戻す時は薄いだしに漬ける。だしと言っても水に薄口しょう油とみりんを少し加えたもの。これに浸し、好みの硬さになったら、調理する。いずれもグリルで焼けば完成。日本酒によく合う。もちろん、煮物や天ぷらにしもGOOD。
<松田正記/TSURINEWSライター>