伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「野釣りの底釣り」。今回は山梨県富士河口湖町にある河口湖での実釣編。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
河口湖でヘラブナ釣り
4月20日(水)、山梨県富士河口湖町にある河口湖に釣行する。天候は曇り時々晴れ。早朝の水温は表層で13.5度。午後は15度まで上昇。
いつもなら全湖を最低でも2周してパトロールしてから入釣場所を決める伊藤。だが、この日は決め打ちで北岸長崎トンネルにある長崎公園の西側、コテージ戸沢センター前に2本並んだ東側桟橋の東側に立ち込み台をセットする。
「昨日の夕方に実はパトロール済みなんだ。絞っているところを見たわけじゃないから詳しくは分からないんだけど、どうやら釣れてるみたいなんだよね」
遠浅地形ゆえに立ち込み台&ウェーダーは必携だが、釣れてない情報ばかりの同湖では吉報だ。
立ち込み台を準備していると、伊藤の右側にある桟橋(先端に船が横着けされている)の先で良型が何度もモジる。
「魚いるね。でも明るくなったら沖へ出て行っちゃうだろうなぁ」
飛天弓・閃光P21尺竿を継ぎグルテンセットの底釣り。タチは1本半。タナは上バリトントン。
常連登場&アドバイス
6時にエサ打ち開始。すると3投目でニゴイがハリ掛かり。これがヘラだったらと落胆する伊藤。その後は触りもなく時間だけが過ぎる。
7時すぎ、同湖でマイボートを所有するマルキユーフィールドスタッフの高原良貴氏が突然現れる。同氏がここに来たと言うことは、ポイント選択にまんざら間違いはなかったと言うことか。
「今日は取材ですか。だったらボクは漁網の反対側でやりますね」
どのくらいのラインに着舟するのか興味津々で見ていると、陸っぱりと大差ない水深2.5mラインに魚探で探って水棹を打った。
「春は2本が限界で、それ以上深いと”深海生物”しかこないことが多いんです。でも直近は不調気味なのであえて少し深い所にしてみました。ところで伊藤さーん、もう少し桟橋に寄ったほうがいいですよ。何なら桟橋に平行に打ってもいいくらいです。係留ロープが沈んでるので気をつけてくださいね」
フィールドに精通した常連のアドバイスは心強い。伊藤も素直にそれに従い、できるだけ桟橋に近づく。
透明度上がり難渋
「こっちのほうが底が軟質だね。これならちょっとの風・波で濁りが発生しそうだよ」
そう。河口湖で好釣果を得るカギは何と言っても濁り。逆にダメなのが高透明度。高原氏が言うには大石公園のほうから風が吹くとここは濁りやすく、逆に河口湖大橋のほうからだと濁らないらしい。そしてこの日の風向きは後者。
「午前中はウエイクボードが行ったり来たりしてたから濁ってたけど、午後になってボートが走らなくなったら澄んできちゃったね。こうなるとあとは夕方のワンチャンスかな」
ダメ元で竿を24尺に替えたり立ち込み台の位置を微妙にずらしたり、あの手この手を繰りだす伊藤。しかしウキはピクリともしない。
リベンジに闘志燃やす
15時すぎ、ベタナギ無風で透明度も増して「こりゃダメだぁ」と泣いた直後に、高原氏が腹パンの良型を絞る。竿を握る伊藤の右手にも自然と力がこみ上げるが、16時40分にウグイをハリ掛かりさせたのが最後で、17時20分にウキが見えなくなり納竿。
「まあでも今週末から気温も上がるみたいだし雨も降るようだから、GWごろには面白くなるんじゃないかな。これに懲りずに近いうちにまた来るよ」
一度のオデコでめげてしまっては野釣り(大型釣り)は成立しない。そのことを熟知している伊藤は、さらなる闘志を燃やすのだった。
次回も「野釣りの底釣り」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
河口湖